酷暑の 南仏プロバンス紀行  (その1シャルルドゴール空港まで)

旅は人に非日常的な体験を与えてくれます、時には楽しい、時には過酷な事態が待っています。それでも、人は一度、その洗礼を受けると、再び新たな何かを期待して旅に出るのです。今回の旅もトラブルに見舞われ、決して楽では有りませんでした。しかし、それを上回る貴重な収穫を得て帰って来ました。

フランスの旅は17回目ですが、南仏プロバンスを中心に旅行したのは、今回が初めてです。理由は、夏休みの旅行なので、南仏の内陸は暑いから、それにもまして、Peter Mayle氏がプロバンスの本を出版してからは、世界中の観光客が押し寄せ、ブームになりましたから、私は混雑を嫌いその地を避けていました。

それから10年経ち、そろそろ行ってみるかと思っていましたところ、昨年,宇都宮市の栃木県立博物館でアビニヨンで知られる、フランスのボークリューズ県展が開かれ、その中でフォンテーヌ・ド・ボークリューズという清流の景色が紹介されていました。、私は、それを見た瞬間、次回の旅は絶対フォンテーヌ・ド・ボークリューズを訪れるぞ、と決心したのです。

平成15年8月9日(土)出発のこの日、折悪しく台風10号が通過し、強風、豪雨なので、予定より早めに自宅を出て、早々と成田空港に到着しました。京成友膳というお店で海老フライ御膳というのを食べましたが、付いてくる白玉ぜんざいが絶品でした。空港内の食料品店で醤油パック(10袋入り)を買って、搭乗口に向かいました。エールフランス273便は定刻通り夜9:55出発。離陸した機は電車が脱線しかかっているかのように、左右に横揺れしながら上昇していき、揺れは高度3000メートルまで続きました。台風による横風の影響なのでしょうか、こんな事は初めて体験しました。私の隣席は若い女性の一人旅、偉いですね。程なく、かの女性が私に話しかけてきました、「あのう、私の席のライトが点かないのですが」、立ち上がって天井のライトを調べましたが光りません。乗務員の方を呼んで申しあげると、「他の席でも同様の事が起きました、よろしければ、別の席にお移り下さい」というわけで、若い女性は早々と移っていき、隣は空席になりました。日本の航空会社では、こんな事(機器の不良)はないですよね。以前、まだ言葉が良く話せない頃、英国航空に乗ったとき、「離陸時は座席を起こしなさいと、言っているでしょうが、なぜお前は座席を倒しているのか!」とイギリス人のスチュワーデスに怒られたことがあります。「だって、起こそうとしても、壊れていて倒れてしまうのですよ」と言いたいところですが、英語で何というのかわからないので、只々だまってしかられていました。機内の不備を放っておいて客を責める、英国航空。

エールフランス機内で手にしたフランスの新聞Le Mondeルモンド紙の中に2003年夏の猛暑についての記事がありましたので、ご紹介します。予想はしていましたが、今年の旅は暑さとの戦いになりそうです。それも南仏で。

8月10日(日)朝4:15分パリシャルルドゴール空港着

以前、同じ便でこの空港に到着したものだから、慣れています。鉄道の窓口も、銀行も6時過ぎないと開かないことがわかっていますから、ゆっくりTGVシャルルドゴール空港駅に向かって通路を歩いて行きました。駅のベンチに座って、これからまだ1時間待つのです。RERもこの駅を経由しますから、パリ市内に行く人もいます。RERは自動販売機で乗車券が買えますから、6時まで待つ必要はありませんが、ユーロのコインがないと、乗車券が買えず、小銭を持たない旅行者が困っている人から何度かコインを持っていませんか、とたずねられましたが、私は渋谷のUFG銀行でユーロに両替して来たのですが、紙幣ばかりでコインはありません。6時になりました。人の気配はしますが、ここはフランスです、6時から開くと表に書いてあるのに、開いたのは6時10分過ぎでした。フランス鉄道パスを本日使用開始するため、スタンプを駅員に押してもらいます。荷物を見張るために、娘をベンチにおき、私と妻の2名で3名分のパスを出しましたが、よく確認せずに、目の前の2名と早合点して、2枚しかスタンプを押さないものですから、頼んで3枚目を押してもらいました。(これがフランス、旅人は自分でしっかり確認すべし)。そして、3回分の座席指定券をまとめて買いました。(TGV5102)シャルルドゴールTGV6;56→アビニヨンTGV10;22、( TGV6807)アビニヨンTGV9;26→エクサンプロバンスTGV9;50,  (TGV6171)エクサンプロバンスTGV11;00→カンヌ13;09 支払いはVISAカードでしました。3人3回分、合計9回の座席指定料金が22.5ユーロ(3150円)一回350円くらいです、安いですね。

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