サンセバスチアン San Sebastian     

サンセバスチアンに行くには、鉄道で行くルートもありますが、接続時間を調べると、バスの方がすっと良さそうです。月曜日から土曜日まで、一日一往復、バイヨンヌ−−ビアリッツ−−サンジャンドリュツ−−アンダーユ−−サンセバスチアン間を走っています。サンジャンドリュツでのバス乗り場は、駅前ですが、道路の駅側ではなく、駅に面した街側のところにあり、6番という標識のバス停です。

St-Jean-de-Luz 9時45分発   San Sebastian10時40分着

San Sebastian18時00分発   St-Jean-de-Luz19時00分着

料金は大人一人往復90フラン、そしてなんと、運転手さんに、子供は無料でいいよ、と言われました。(バスク人の太っ腹!) バスは、サンセバスチアンの中心街の公園広場Plaza de Gipuzkoa で終点となりますから、終点で降りましょう。

鉄道より、はるかに便利で、その上、格安の料金です。バスを降りたら、先ず両替をしなければならないのですが、今日は土曜日なので、銀行は閉まっています。Urumeaウルメア川の河口付近の橋のたもとにある、観光案内所に行き、両替所を教えてもらい、そこから川沿いに上流に向かって歩いて、一つ手前の橋のところの両替所で無事完了。再び河口をめざして歩いていくと、河口の山の麓に教会があり、その門前町の旧市街は、沢山の店やレストランが軒を連ね、とても面白いところです。靴屋でサンダルを買おうとしましたが、重いものばかりで、やめました。旧市街を通り抜けて、湾の方に進みました。急に美しい景色が広がり、サンセバスチアンに来たなあ、という実感がしました。景色を楽しみながら海沿いの道路を進んで、最初に水族館に入りました。大きな鯨の骨挌標本がお出迎えです。水槽はとても立派なもので、内容も充実しています。案内図をいただいたのですが、出口が見つかりません。さんざんたずねてわかったのですが、入り口の上の階のトイレの脇を通過すると出口が見えます。ですから、出口を出たら、建物の外の道路の階段を下りてこないと、元の入り口の地点には戻れません。それから、この街は意外とお土産屋さんがありませんから、水族館入り口少し手前のお土産屋で、調達するといいでしょう(私達は、その時、そこに寄らなかったので結局絵はがきすら買えませんでした)。もうお昼です。港に沿って、シーフードレストランが連なっています。もう席は満杯に近く、オーニングの端の席だけが残っていました。食事中、私の頭上にはだんだん太陽がまわってきます。妻はイカの墨煮と地酒のチャコリ。私は、魚スープと鰯の煮物。子供は、またもステーキ・フリット。サンセバスチアンは物価が高いと聞いていましたが、レストランの値段は確かにスペインにしては高い。国境に近いので、フランス語で注文可です。

イカの墨煮はオイルが効いていて、とてもおいしい一品でした。魚のスープはマグロのフレーク缶詰をお湯で溶いたような出来、鰯の煮物は、きびなご大の鰯をまるごとお湯で煮たものに、輪切りの唐辛子を浮かべた様なもので、はずれでした。子供のステーキは、味はよいのですが、薄くて硬い。17世紀頃、ヨーロッパの食通達は、牛肉の品質をイタリアが最上で、次いでフランス、そしてスペインのものは劣ると、評していましたが(フイリップ・ジレ著 旅人たちの食卓 平凡社)、それは、現代でも通じそうです。昼食後の昼下がり、汗をかきながら、Monte Urgullモンテウルグルを登る、日差しが暑い。やっと30分後に頂上。そこは古い城で、城壁の間から、海や湾が見えます。暑さと、地酒が廻った妻は、マットを敷いて昼寝(あんた何しに登ったの!)。私と娘は、美しい街並みとBahia de La Conchaコンチャ湾のスケッチ。遠くに見える海水浴客の喚声がここまで風に乗って聞こえてきます。2時間で絵を仕上げる。

山を下りて、海岸通りの公園内で、子供をメリーゴーラウンドに乗せて小休止しているうちに、もう帰りの時間です。暑いので、アイスクリーム屋さんを探すのですが、どこにも見つかりません。やはり、ここはフランスとは違います。結局ペセタを使い残して帰りました。帰りもバスは美しい海岸線を快適なスピードで走ります。途中で一番美しいのは、国境の町HENDAYEアンダーユです。定刻の午後7時サンジャンドリュツ駅前到着。

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