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8月15日(月)ホテルの朝食はコンチネンタルスタイルかと思っていたら、後から大きなハムと大きなスライスチーズを持ってきました。とても美味しい、 Lourdesに泊まったのは、ピレネーの最高峰Pic du Midi de Biggoreピクデュミディビゴールに行くためです。
公共交通が通じていないため、タクシーで行くことにしました。インターネットで見つけたDétours Pyrénéensという会社にメールで申し込みました。e-mailで日にち、時間、行き先、料金を申し込んで、最後に料金の2割の90€を予めカード で振り込んで、残りは当日380€を払うことで、予約を取りました。午前9時から午後7時までの約束で、ホテルATLANTICの玄関まで迎えに来ていた だく手はずにしました。きっちり10分前に運転手兼ガイドのVéloniqueさんがプジョーの車で迎えに来てくれました。
午前中はPic du Midi Biggoreに、午後はスペイン国境に近いLac de Gaubeまで行くコースです。






ベロニクさんは細身の黒髪黒目の女性で、しばらくスペインのバルセロナに居たそうて、カタルーニャ語、フランス語、英語が堪能で、イタリア語は少しだけ話 せるというピレネー人です。今日はフランス語でガイドをお願いしました。運転席の横の座席に座りましたが、私の語学は相手が何を言っているのかが、大体分 かる程度ですから、後は後部座席にいる妻に会話を付き合ってもらうことにしました。途中温泉町Bagneres de Bigorreを通って、その先のカンパンCampan村に入ると藁や布で出来たカカシのような人形が家々の軒先や、入り口などてんでんばらばらに置いて あります。


(写真のベランダ、門などに立っている人物像は人ではなくMounaques人形)
Mounaques de Campanカンパン村のムナックとよばれるもので、7月から9月に村に展示され観光名所になっています。そのいわれをベロニクさんが一生懸命に説明して くれるのですが、どうも理解し難い。昔、若い娘が財産目当てに不釣り合いな老人と結婚したり、他の地方の人と村人が結婚したりすることをカンパン村では良 しとせず、軒 下に人形を置いてたり、カウベルを鳴らしたりして、結婚を妨害したという歴史があったそうで、今はそんなことはないが、村興しのためにムナックを飾るよう になったということらしいです。ベロニクさんは、ここからPic du MIdiがよく見えるから、と道路で止まって、シャッターチャンスを教えてくれます。


(中央高い山がpic du midi bigorre)
この道はツール・ド・フランスのルートです。ツールマレー峠の登り始 めの標識があります。


La Mongieのロープウエイの乗り場の駐車場に着きました。目の前の山に隠れて山頂は見えません。ガイドさんが同行すると、料金割引があります(通常 38€のところ、28.5€)。
ロープウエイは次々とゴンドラが来ますので、ほとんど待たずに乗ることが出来ます。途中で一度乗り換えて15分で2,900メートルのPic du Midi Bigorreピクデュミディビゴールの頂上に着きます。頂上には展望台の他に天体観測所、テレビ塔、国防省の施設などが有ります。展望台から雄大なピレ ネーの連山をぐるりと見 渡しました。地球温暖化の影響でしょうか山の雪の量が少なく感じました。自分の影で時刻が分かる日時計もありました。天気が良かったせいで半ズボンの人も ちらほら。寒いだろうとズボン下まで着込んできましたが、必要ありませんでした。
(上左ロープウエイ、上右Pic du midi,下 頂上展望台からのパノラマ)




ロープウエイで下に戻って、昼食です。ガイドさんはスペイン定食、私たちはマンタロー、生ビール、コーヒーなど飲み物だけで、ナルボンヌで買って持参した オニオンキッシュで済ま せました。


ちょっとしたおみやげを買って午後出発してまもなく、道は渋滞しています。交通事故かと思いきや、親子連れの牛が道の真中にじっとしていて、運転手らは声 を出すでもなく、おとなしくただじっと待っています。何分か後に、牛の群れは移動し、車は快適に走り出しました。途中、ツールマレー峠Col du TOURMALET(Alt.2115m)というツール・ド・フランスのピレネールートの基点にさしかかりました。




自転車選手のモニュメントが立っています。その下をサイクリング姿の若者集団が走り抜けて行きます。前方に黒い雲がかかり雨が降り出しました。予定してい た湖の方面で雷鳴も聞こえます。もしかしたら、行けないかもしれない、その時は別の場所を案内するから、とガイドさんが言う。地元の農家が山間部のテント で自家製チーズを販売していたので、傘をさしながら買う。ピレネー地方では羊のチーズが特産でBrebisブルビといい、全然くせがなく美味しい。山の天 気は変わりやすく、黒雲が晴れて、車は予定のコースを走ります。山道を登って行くと、スケールの大きな滝に幾度か出会います。たどり着いたのは観光名所の スペイン橋です。



昔ピレネー越しでスペインに通じる道に架けられた橋で、大きな滝から流れ落ちた水が橋の下を通り抜けて走ります。ここは流石に観光客で賑わっています。そ こから山道を少し歩くと、スキーリフト乗り場に着きます(冬はスキーでにぎわうそうです)。Lac Gaubeまで一人2€。3人乗りですから、ガイドさんと一緒に乗りました。ガイドさんによれば、この辺はピレネー自然国立公園地域で、草木一本採取して はいけない、人の手を加えてはいけない保護地域だそうです。




リフトを降りて、山道を15分ほど歩くと、Lac Gaubeに到着。




ここが本日の最終目標地点です。静かな湖畔の向こう側には高いVignemale山がそびえ、その裏側はもうスペインです。この山も頂上には雪がなく、日 陰の部分に雪渓が見える程度で、地球温暖化ですね。雨に降られませんでしたが、山の天気は変わりやすいので全員傘を持って行きました。
帰りは順調で、午後7時ぴったりにホテルの前に到着したのにはびっくり。フランス人でも時間に正確な人もいるのですね。下車すると、残金を支払って下さい といわれ、クレジットカードを出すと、現金でお願いしますといわれて2度びっくり。二人で持ち合わせのユーロを出しあい、何とか支払いました。財布のユー ロが激減したので、今後は出来るだけカード決済で過ごさなければなりません。直ぐホテルで夕食を取りましたが、美味しいウインナーシュニッツエルが出て満 足しました。

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