ハハ
                                  
ペリゴールPERIGORD地方周辺紀行(その3 ペリグーPerigueux)

8月12日
Sarlatが始発のボルドー行きの列車はもうホームで待機しています。たった2両の列車(気動車)ですので、空席の方が少ない。
10:10 Sarlat出発、10:53 Le Buissonルブイッソンで下車。ここで、何の魅力もない、ホームがコンクリートでなく砂利のままで、ところどころへこんでいるようなつまらない田舎の 駅で2時間、乗り換え列車が来るのを待つのです。これが言ってみれば、個人旅行の弱点、時間の無駄です。ルブイッソンで12:25Agenアジャヤン発ペ リグーPerigueux行きの、たった一両編成だけの気動車に乗り込みます。列車の中程に自転車置き場が設置されています(フランス人は無類の自転車好 き)。その分座席が減り、大きな旅行鞄を持ち込むと、座れないほどです。トイレの前のいすが空いていたので座りました。後から老年婦人が乗り込んできたの で手招きして隣のいすに案内しました。これからParisパリに帰宅するお年寄りで、気ままに一人でフランスを旅行しているとのこと。お互いに訪れた地方 を話していたら、あなたの方がフランス各地を多く回っているわ、と驚いていました。韓国、日本にも行ってみたいけど、この年じゃ無理ね、とも言っていまし た。13:14 Periguerxペリグー着。大きな駅で、ほとんどが別の線への乗り換え客。下車して探し回りましたが、荷物預かり所が見あたりません。大きな旅行鞄を 3個持っていては、市内観光など出来ません。思い切って駅長室の扉を開け、中で執務中の駅長さんとおぼしき人に、すみません、この駅にはコインロッカーな ど有りませんか?とお尋ねすると、有りません、観光のかたですか?とおっしゃるので、はい、荷物があるので困っています、と答えると、ちょっと考えてか ら、何人ですか、3人、いいですよ、この部屋の片隅に預かってあげましょう、と言ってくださいました。何て親切な駅長さんでしょう。感謝感激。
駅のベンチで簡単な食事を摂って、身軽になって市街へ出発。暑い。日曜日なのでお店のシャッターは下りていて、閑散としています。途中、犬のフンなどを避 けながら、ずんずん進んでいくと石組みの塔が見え、その中はインフォメーションでした。地図をもらい、中世の建物が残る旧市街の散策ルートを歩いてみまし たが、古く汚い感じ。国家が予算をかけて復元したSarlatの街を見てきた後なので、なんの感激もありません。足が疲れたし、暑い。川に出ると、丸い屋 根がい くつも連なった、St.Frontサンフロン大聖堂が見えてきました。川沿いに歩いて近づくと、美しい花の植栽で飾られた橋に出ました。橋のたもとから土 手に下り、そこから川越しにみえる大聖堂は一服の名画です。ここは涼しいので、座って1時間スケッチしました。その後、大聖堂に入りました。内部も外見に 劣 らず、荘厳で立派です。私が見た限りでは、ペリグーの見所はこのSt.Frontサンフロン大聖堂(写真)の一点だけです。

これを観るだけで、ペリグーを訪れる価値が十分でしょう。市の中心部を歩きながら(見所なし)駅に戻りました。あまりに暑いので駅のバーでアイスクリーム を食べました。駅長さんにお礼に何か、と思い、お金では受け取らないでしょうし、お店は開いてないし、駅の自動販売機でミネラルウオーターを2本買ってそ れを荷物の置いてある駅長室に置き、お礼を言って荷物を受け取りました。駅長さんは親切に乗る列車のホーム番線まで教えて下さいました。Agenアジャン 行き列車に乗りこんで、出発を待っていると、あの駅長さんがわざわざ私達をさがしにきて下さり、ミネラルウオーターをお忘れですよ、とおっしゃいました。 すみません、それはほんの感謝の気持ちでございますのでお納め下さい、と申し上げると、にっこり笑って水のボトルを持ったままの手で、出発進行と合図をさ れました。ペリグーで出会った、一番の思い出です(写真)



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