その6.グリュイエール  Gruyeres 1
Fribourg9:04発。4番線で少し待って、入ってきた列車に乗り込みました。9:41にBulleに到着する予定です、やれやれ。30分 後、列車が停まると、乗客の半数がぞろぞろ降りていきます。大きな湖の湖畔の駅で、外には市内観光のミニトレインなども待っています。おかしいな、 Bulle方面は湖が無いはずだ。しまった、この列車はYverdon行きではないか!ということで、予定外のNeuchtelヌーシャーテル湖を見るこ とになり、

仕方なく同じ列車を終点Yverdonで折り返して、再びFribourgに戻るはめになりました。どうやら、Fribourg駅の同じホームの前側の列 車に乗ったのですが、それより後方に別行きの列車があって、同時刻9:04の発車だった、ということが判明しました。(行き先を確かめないで、乗ったのが うかつでしたーーー警告1回目)。おかげで、予定より2時間のタイムロスになり、当初予定していたBroc villageのチョコレート工場見学はあきらめることになりました。結局Bulle11:52→Gruyeresグリュイエール
11:59着 Bulleから緑の草原を列車は走っているうち、だんだん高い山が見え始めると、そこがグリュイエール駅でした。駅前にはグリュイエール行 きのバスが止まっていて、フランス.スイスパスを見せると無料で乗車できました。バスは、カーブしながら丘を登り、3分ほどでグリュイエール村の停留所に 到着。
バスを見送って、ホテルに向かおうとすると、妻が、パスポートと、レールパスを入れたバッグが無い,と青くなっていた。ハンディキャップの老婆の降車を手 伝っていて、バスの中に置き忘れたらしい。どうしよう、日本に帰れない、旅が続けられない、最大のピンチ! 妻は、バスが再び来るまで、停留所で待機する という。とりあえず、私はホテルのフロントに駆け込んで、事情を説明して、バス会社に電話をかけてもらったが、相手が電話に出ないので連絡がつかないとい う。ーーーーだから、私はいつも、無くさないために、パスポートと航空券などの貴重品は、首から提げた袋に入れてシャツの内側にしまうようにしているので す。ーーーー暑い直射日光に照らされながら待つこと1時間数十分、やっとバスが来ました。同じ運転手さんだから同じバスだ、といって、妻が降りる前に座っ ていた席に行ってみると、探していたバッグがあり、無事パスポートとパスが戻りました。田舎のバスだから、乗客も少なく、奇跡的にバッグがそのままだった のでしょう。これで、再び旅が続けられます、思えば冷や汗ものでした。気を取り直して、丘の上に小さく集まっているグリュイエールの街に入りました。バカ ンス時期ですので、人の波です。ホテルは、中心に位置するHostellerie Saint Georges。街を一望する通りに面した2階の部屋。窓は赤い花では美しく飾られ、北向きなので夏でも快適です。部屋にはパナソニックのテレビ。 Samsungが席巻しているヨーロッパで、嬉しいじゃございませんか。
昼食はホテルの向かい側にある、Hotel de ville 。トムtommeというお供え餅のような大きな丸いチーズが載ったサラダが美味でした。家畜がいる村だからでしょうか、皿の周りは小蠅が飛び回っていて、 うるさい。向かいのテーブルの家族連れの子供達は、食事なんかそっちのけで、ハエを追うことに夢中になって遊んでいて、親に食べるように促されている。一 息いれて、街の奥端にそびえるグルイエール城を見学しました。美しい部屋、調度品、リストの弾いたというピアノもありました。お城の窓から眺める、周囲の 山や平原、湖、など、絶景また絶景。これだけでも、はるばる日本から来た甲斐が有ったといえるでしょう。

お城から街に出ると、どこからかアルペンホルンの音が聞こえてきます。メインストリートから2本下がった裏手の野外で結婚式の披露宴が行われていました。 そういえば、お城のすぐ手前に小さな教会が有り新郎新婦の姿を見たっけ。1人がスイス国旗を投げ上げたり、回したりする横では8人位の年配の奏者が一列に なってホルンを合奏していて、これぞスイスという光景です。ここはビデオの出番です。5.1サラウンドで録音できました。ーーー蛇足になりますが、5.1 サラウンドとは、自分の前に、右、中央、左のスピーカー、自分の後ろに右、左のスピーカーを置いて、5、前面の床に重低音スピーカーを置いて、.1これら のスピーカーに取り囲まれるので5.1サラウンドといいますーーー。夕方6時を過ぎると、あれほど人々の喧騒にあふれていたメインストリートは人影もまば らになり、街は静寂を取り戻します。この街は高台にあり、周囲を古い回廊のようなもので囲まれていて、回廊の一角から下の方に降りる道が続いています。道 の階段にすわって、眼下の山や牧場をスケッチ、このスタイルこそが私のバカンスのキモで、至福のときを過ごしました。こちらが手を振ると、放牧されている 牛が尻尾を振って応えるよ、と妻が言うから、犬じゃあるまいし、牛は単に蠅を追うために尻尾を振っているのさ、と私は言った。夕食は宿泊したホテルの入り 口のテラスで通りを眺めながら、当地名産の木製桶に入ったゆでた皮付き小ジャガイモ、やパン切れにチーズを付けて食べる、本場のラクレットにしました。

付け合わせは、生ハム、ピクルスなどです。今では、コンセントに差し込むと下側から発熱する金属を、チーズの10センチ上に固定し(アイロンを下向きに固 定したようなもの)、チーズの表面が溶けるので、それをナイフでこそげ取って、ジャガイモに塗りつけて食べるのです。思えば、毎日が、肉、チーズ、ジャガ イモの生活なんて、気の毒な地域です。
8月12日(日)
Hostellerie Saint Georgesの朝食は、道路と反対側の南向きの食堂です。ここからは、朝日に映える山々のパノラマを展望しながら食事をするという、最高の贅沢ができま す。朝食の品目が多く、景色と相まって、絶対おすすめのホテルです。
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