その4.バーゼル Basel 2

ホテルで一息いれてから、ホテルからもらったフリー切符で路面電車を使ってバーゼル市街地に出ていきました。バーゼル市街はとても大きくて、路面 電車を使わなければ移動できません。駅前(ホテルの前)から路面電車に乗るのですが、路線が沢山ありすぎて、何番の電車に乗るのか、直ぐには理解できない 程です。市立美術館Kunstmuseumに行くのは、1番、2番の電車に乗りKunstmuseumで下車すればよいし、そこから歩いて5分くらいでラ イン川に行けます。夕なずむライン川を見て、市庁舎のあるMarktplatzに出た頃には夜になってしまいました。


夕食を何処でしようかと、先ず電車に 乗ると、大勢の人でにぎわっている停留所があったので、とにかく降りてみました。Barfüsserplatzという広場で、歩いても歩いても人の波で す。軽食とドリンクが主体のお店が多く、せっかく来たのだからもっとましな店はないかと、歩いているとVIPという名のビストロにフォンデュのメニューを 見つけました。2人前で72スイスフラン(一人3、000円くらい)と手頃な値段。



通りにはみ出したテラス席で、オイルフォンデュとスープフォンディユの うちから、脂っこいのは夏で暑いし食べる気がしないのでスープの方を選びました。出てきた皿を見てびっくり、牛肉薄切り、豚肉薄切り、鶏肉薄切り、合計 800gくらいはあります。もやし、細切りにんじん、細切り茸などの入ったスープ仕立てのフォンディユ鍋とアルコールランプ、ピクルスの載った取り皿、付 けるソースは、カレー味マヨネーズ、タルタルソース、唐辛子味マヨネーズ、にんにく味マヨネーズなど。一番良かったのはカレー味マヨネーズで、家に帰って も作ろうかと思いました。薄肉をフォンデユ用の二股フォークで突き刺し、鍋のスープで湯がいて食べる。結構食べられるもので、4人前くらいの肉を2人で全 部平らげ、附属した山盛りのポンフリpommes Fritesを八割方食べてしまいました。鍋の中は肉の出汁がいっぱい出ているだろうなと思って、ボーイさんにスープ皿に入れて下さいとお願いしたら、一 旦それを店内に持ち帰ってから、たっぷりの美味しいスープにして持ってきてくれました。うまい!この店を選んで良かった、通り過ぎる人々を眺めながら、し ばし至福の時をすごしました。帰るときにちょっとがっかり、シェーシェー、ツアイチエンとボーイさんに云われてしまいました。実際、このごろ中国人観光客 の多いこと。市電(8番、11番)でバーゼル中央駅まで帰りました。
8月10日(金)
Confiserie Bachman(砂糖菓子店バッハマン)という、ドイツ語風の名前のフランス語の菓子店、いかにもバーゼルらしい名前の店がバーゼル中央駅前にあり、朝6 時に開店すると、人々が通勤前の朝食を食べに次々と出入りしているのを前日朝観察していたので、今朝はホテルの朝食を摂らずに、この駅前の店で地元ッ子の 朝食を試してみました。


店内にはケーキの他に、焼きたてのパンが幾種類も並べてあります。その中から、私たちはクロワッサンとハムパンを選び、カフェオレで地元サラリーマンと一 緒に朝食を食べました。もちろんテーブル椅子付きです。2人で23スイスフラン(1人1,000円位)。ホテルで宿泊料金の精算を済ませ、荷物を預けて街 に出かけました。駅前から市電に乗るわけですが、バーゼルの市電はラッシュアワーでも正確に走ります。駅前道路には信号が一切ありませんから、信号ストッ プということはないのです。大きな道路の交差点には幾つか信号がありますが、市内道路は殆ど信号が無いと云っていいでしょう。市電優先で、車、自転車、歩 行者はどうかといえば、市電の通らない時を巧みに走ったり、横断したりします。車は歩行者優先で人の前では必ず停止します。それで、お互い渋滞がないので すから、先進の交通ルールです。(かつて美濃部都知事が都電を廃止しましたが、廃止せずにバーゼルのようにすれば良かったのに)市電は停留所に出ている電 光掲示板で何分後に到着するかがわかり、10分以内に次の電車が来るので便利です。1番、又は2番の市電に乗り3つ目の停留所KUNSTMUSEUM(市 立美術館)で降ります。そこから歩いて5分でライン川に出ます。


川を眺めてKUNSTMUSEUM停留所に引き返して、こんどは市立美術館と反対の方向に 道を歩いていくとMunster大聖堂があります、10時開門ということで入れず外観だけを見て廻ります。眼下には広大なライン川が流れる、とても眺めの 良い前庭で記念撮影。大聖堂を後ろにして歩き始めてからビデオカメラの無いことに気づき、急いで元の撮影場所に戻ると、そこにありました。最近のハンデイ カムは肩からつるすベルトが付いておらず、うっかり置き忘れしそうで困ります。道なりに歩いていくと川沿いに飾店、数学博物館などの歴史のある家並みが続 いて、興味深いです。同じ道を引き返して、10時少し前にKUNSTMUSEUMの入り口で開門を待ちました。丁度、ルノワール展を開催していましたの で、追加料金を払って両方見ることにしました。係員が厳しくて、カメラはもちろん、どんな手荷物でもコインロッカーに預けなさいと言われる。先ずはルノ ワールの方から見ていく。こんなに作品があるのか!と感心するくらい、初期の作品から晩年の作品まで幾部屋にもわたって展示されています。これだけで優に 1時間はかかります。次は本命のバーゼル美術館所蔵作品。NHK日曜美術館で紹介された、横に細長ーい板に描かれた死せるキリストの絵、すぐに見つかりま した。この絵を見たくてバーゼルまで来たのです。こんな細長い絵は見たことがありません。非の打ち所のない完璧な描写に圧倒されました。他には、地元画家 の沢山の絵、そしてピカソ、マチス、コロー、モネ、シニャック、シスレー、ルーベンス、ブリューゲル、セザンヌ、ブラックーーーもう有りすぎます。巨匠の 作品を沢山見て感じたこと:やはりピカソの描写力はすごい。2時間半で見て回り、この美術館に来て本当に良かったと思いました。中央駅に戻り、ホテルの隣 で営業している中華料理店で昼食。高校生くらいの年頃のお姉ちゃん達が鍋を振っているが、あらかじめ用意された刻み食材を炒めているだけ。家で作る中華よ り不味い物ですが、地元のスイス人で大賑わい。チャーハンが特に人気のようでした。まあ時間の節約にはなりましたが、入らない方が賢明ですよ。
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