料理                   

玉村豊男の本が出るとすぐに読み 、フランス旅行では現地の台所用品を買い込む。小学2年にマッチの使い方を覚えて以来、私は料理することが好きです。大学の時、当時は食事つきの下宿でしたが、食事が気に入らず7度も下宿を移り、「送金先がわからない」と親にしかられて自炊することにしまたが、授業中に夕食の献立が頭の中にチラつくので、1年たらずで自炊を止めて婆さん下宿に入りました。そこでは毎日テンコ盛りの菜っ葉を出され、おかげで何でも食べられるようになりましたが、旨いまずいはわかるつもりです。
フランスで最も一般的に食べられているのが,ステーキに揚げたじゃがいものひょうし切りを添えたもの(bifteck-frit)で、ほとんどどこのレストランでも食べることが出来、たとえ献立表になくても頼めば即作ってもらえます。せっかく海に来たのに、彼等はそこでもステーキを注文している。私に言わせれば、「フランス料理とは、総じて固いものが無く、歯の悪い人でも食べられる料理である」と言えますが、例外なのがこのステーキで、固い肉に当たるとなかなか噛みきれません。値段ははりますが厚焼ステーキのシャトーブリアン(chteaubriant)は柔らかい肉です。子供には挽肉(アッシhache)にしてと頼めばハンバーグの様な形で出てきて食べやすくなりますが、タマネギもパン粉も入っていないので、味はハンバーグほど深みはなく単純です。
わが家ではキ、バ、ビヤンという名のアルミ製のプレートでステーキを焼きます。表面に格子状の隆起がありますので肉が着かずグリル模様が肉に出来てきれいです。もちろんフライパンで焼くのが一般的です。
最後に私がしているビーフステーキのおいしい焼き方を(フランス語でアポアン)を書いてみます。軽く塩胡椒したステーキ用肉を中火で片面を少し色着く程度に焼き、裏返してやや火を弱め数分間様子をみていると表面に「赤い肉汁が汗をかく如くに出てくる」(フランスの名シェフであるミッシェル、ゲラールの表現)。この時点で焼き上がり。肉の表面はカリッと、中味は赤く軟らかく食べ頃になっています。「なんだ、焼き魚と変わらないじゃないか」ですって。これがアポアンなのです。肉を取り出した後のプレート(フライパン)にブランデーを注ぎ、さらに醤油を注いでから火を止めソースとします。皿にステーキと大根おろしを盛り付け、そこにさきほどのソースをかけます。ブランデーの甘い香りと、こげる手前の醤油の香ばしさを大根おろしがつつみこみ、とてもおいしいものです。ただし外国人のお客様は大根おろしを嫌うようでした。それでは、どうぞ召し上がれ(ボンナペテイ)!

この夏、フランスの温泉地エクスレバンの湖畔の老舗レストラン Lille で食べたランチは、前菜と、ステーキほうれん草ソース添えでした。前菜はゆでたポロネギを、酸味の効いたクルミのペーストにつけて食べるものでした。とてもおいしかったので、帰国後、私なりにアレンジして、ほとんど、オリジナルと同じ味が再現出来ました。簡単ですから、どうぞお試し下さい。
用意するもの:20センチ長さの太いネギ3本、マギーブイヨン、水、市販(ミツカン)のしゃぶしゃぶ用ごまだれ。
作り方:
1.なべに水とマギーブイヨン一個を入れる。そこにネギを入れて、充分軟らかくなるまで(約10分間)煮る。
2.ネギをなべから取り出して皿に移して冷ます。
3.ナイフでネギを食べやすい大きさに切って、別の小鉢に用意したしゃぶしゃぶ用ごまだれに浸けて食べる。