ペリゴールPERIGORD地方周辺紀行(その7 アルビAlbi)

8月17日(金)
ホテルでゆっくり朝食。紅茶用のお湯容器にお湯が空っぽ。マダム、事前の点検忘れましたね。係のマダムに告げると、彼女はあわてて 水を持ってきて、熱いから離れて、といいながら水を補給すると本当にジューと蒸気があがりました。羊のチーズも芯が堅くなっていて、客が少ないのか、前日 の残りでしょうか、この辺はパリのメルキュールとは違いますね。
9:00発列車が止まっています。 行き先が書いてないけど、時刻があっているから良いだろうと列車に乗る。出発5分前になって、やっと係員がCamauxカモー行きと書かれた紙を列車の窓 に貼り付けていきました。トウルーズ・マタビオー9:00出発。アルビ・ビレAlbi Vill10:16着。
行き方がよくわからないまま、教会が線路の反対側に見えたので、線路沿いの道を選び、踏切を渡って進んでいくと、教会が見えなくなってしまいました。自転 車で通りかかった親切な男性に教えてもらったら、あなた方は、来すぎたから、戻って先の線路をくぐって(そこは鉄道橋になっています)行くと教会に出ると のこと。線路がカーブしていただけで、教会は線路の向こう側ではなかったのです(踏切を渡ったのが間違いでした)。やっとサント・セシル大聖堂 Catedrale Ste Cecileに着きました。見上げるほどに大きながっちりとした壁のタワーがそびえ立っています。荘厳で、立派です。外観だけを見て、内部は午後見ること にしました。旧市街を歩いてロートレックの生家を(道に面している部分だけ)見ました。すぐざま戻って、ロートレック美術館Musee Toulouse Lautrecに行きました。なにしろ、帰りまでの時間が限られていますので、メインの美術館に入らなくては話になりません。(美術館のすぐ隣がインフォ メーションです。) ロートレック美術館の入り口前庭は美しい花で飾られ、その片隅には作られたばかりの日本庭園(砂、石灯籠、竹林)まであります。美術館の展示品は、若い頃 のスケッチなどが中心だろうと思っていましたら、そんなものではありません、すべての年代の傑作が数え切れないほど展示されていて、時間に余裕がないと見 終わりません。やはり先に入場してよかった。それこそ、実物を心ゆくまで鑑賞できました。美術館内の出口を出ると、日本庭園が正面にありますが、それを右 手に坂を上って行くと、展望台に出ます。そこからのアルビの眺めは本当に絵のように美しい。眼下の川、その手前足下には、美術館の庭(入り口の庭とは別 の庭)が見えます。その美しさは例えようがありません。アルビに来て正解でした。

(写真上左トウルーズ・ロートレックの生家、上右ロートレック美術館、下左美術館横の展望台、下右美しい庭園後方が美術館の側面)
時間の経つのは速く、急いでお昼を食べないとまた2時過ぎになってしまいます。ここは、美術館近くの、いわゆる観光客目当てのレストランで我慢です。パエ リヤ定 食を摂って40分で出ました。昼過ぎはサント・セシル大聖堂の内部見学です。外もすごいけれど、中もすごく驚きました。とくに生前罪を犯した信仰の薄い人 たちが、最後の審判で、地獄に堕ちていき、苦痛を与えられている様を描いた絵画シリーズは他の教会には見られない圧巻でした。おみやげ買いに、教会前の チョコレート店に入ったら、天皇陛下のお写真が壁に貼ってあるのには、びっくりしました。数年前アルビをご訪問され、この店でお買い上げされたということ です。(それで、ロートレック美術館入り口に新しい日本庭園が出来ていたのですね)時間が無いので、スミレを砂糖で固めたお菓子Violettes cristalliseesとスミレの飴Violettes bonbonsとチョコレートとを買い求め、急いで駅に戻りました。

(写真左上サント・セシル大聖堂,上右最後の審判で懇願する生前不信心だった人々、下左地獄で怪獣に食べられてしまう罪人、下右スミレの 砂 糖固め菓子ーーー砂糖が口の中で溶け、最後にスミレの花びらが現れ舌にふれます。)

15:50アルビ発、16:41トウルーズ着。空いた時間はトウルーズでおみやげ買い。スーパーマーケットで、スープの素、コーヒーの粉、山羊の チーズなどを買い込みました。
今夜はゴーミョーGault Millauの印が付いたお店で夕食です。La Reserveというイタリア料理の店で。客は続々入ってきて大賑わいですが、サービスはいまいち、料理のボリュームはあるも、繊細さに欠け、メニューに デザート付きと書いてあるのに、会計ではデザート料金が別に追加されたりで、期待したほどの店ではありませんでした。ただ、確かに私の注文した鶏レバーの バルサ ミコ酢風味、セップ茸のパスタ(写真)は絶品でした。

8月18日 (土)
日本航空のチケットのおかげで、午後3時過ぎの出発便がとれました。おかげで、今日の午前中一杯自由時間です。市庁舎裏のインフォメーションでミニトラン の情報を得ようとしましたが、前のおばちゃんがあれもこれもと係に質問するので、私の順番が来るまで4−5分も待たされました。そして得た情報によると、 このインフォメーションが建っている公園の一角の郵便局前から10時30分にミニトランが出発する、と教わりました。それも出発時間が迫っています。どこ だどこだと公園を走り回り、やっと乗り場にたどり着くと、列車はほぼ満員。どうにか相席させてもらって、家族バラバラに乗車。出発寸前に、先ほどの質問攻 めおばちゃんが来ましたが、完全に満席で乗れず、次の1時間後に回されてしまいました。善は急げです。トウルーズ市内を回っていきますが、その8割方はす でに、私達が見て歩いたところでした。ミニトランを下りて、子供達は前日マークしていた文房具屋へ、私はCD屋さんに行きジルベール・ベコーとシャルル・ アズナブール(どちらも超古いね、私としても古く感じます)を買いました。公園のベンチで、残りの赤飯、パン、ネクタリン(すもも)、キュウリ、ハム、 チーズなどのいい加減な昼食を摂り、ホテルに戻り預けておいた荷物を受け取り、13:00駅そばのバスターミナルGare RoutierからトウルーズBlagnac Aroport行きのNavette Aeroport空港バスに乗り、20分後に空港着。予約プリントを見せると、すぐに搭乗券を発券してくれました。例によって、飲み水廃棄、ベルトを取り 去り、上着を脱いで、ポケットの中身を取り出して、安全検査を受けました。手荷物のリュックがひっかかり、内容をあけさせられました。5ccの目薬は OKで,予備に入れておいた財布の金具が太く長かったので検閲にひっかかったのです。結局すべてOKということで、やっと通過しました。なお、私はサルラ Sarlatで名産のクルミ油瓶詰めを買ったのですが、割れないように新聞紙にくるんで、搭乗券発行所で預ける荷物(旅行鞄)の中に入れて送りましたが、 何の問題 もなく、自宅まで持って帰れました。つまり、手荷物の中に入れなければ(預け入れ荷物で)液体を持ち帰ることが可能です。
Toulouse 16;15発17:30シャルルドゴール着 同様に面倒な手荷物・ボデー検査を受けてから、乗り換えホールに入るのを許可されます。 自由の身になって、 免税店を見て歩くと、コンビニのパズルのコーナーで相撲マークの本が売っています。何だろうと開けてみると、これが100マス計算。いまや日本発のぼけ防 止グッズがフランスでも売られているのです。フランス語の勉強にクロスワードパズルの本を買いました。シャルルドゴール19:25出発。

(飛行機の窓から見た地平線と明け行く空、そのはるか先に日本の空があるのです)

13:55成田到着。
比較的涼しかった(朝夕背広か着られる)から、湿熱の日本に帰りました。ペリゴール地方付近は、水質が良く、美味しい物がいっぱい、満足の旅でした。