アンドラ最新情報(平成14年夏)par I.Kobayashi

以下は小林一生様から寄せられた情報です。

今年の夏、2年ぶりにアンドラに行きました。アンドラ電力会社も立派な変電所を町のはずれにつくり、原子力発電所の問題をかかえる日本人として考えること多々ありました。温泉Escaldesを中心に新しい道路や店ができ、今回はNationalOrchestraが10年前に組織されていたのを知り、何度いっても飽きないアンドラ旅行でした。アンドラ銀行がスポンサーのヴィバルディ四季のCDもあり、不良債権をどうしようと悩む日本の銀行との格差というか、文化の根付き度といいますか、敬服いたしました。Toulouseからの列車の車窓は期待通りの美しさ、初めてピークシーズンに旅行し貴重な体験もいたしました。

■旅程

8/8 11:25NRT 16:20CDG

22:55 Austerlitz 8/9 9:00(1h30遅着) Toulouse 夜行列車

8/9 10:30 Toulouse 12:30 l'Hospitalet  普通列車

迎えの車でアンドラ入り、宿は友人宅。

■Andorra

l’Hospitalet駅で下車したのにフランス側からは渋滞らしく、一つ先の駅La Tour de Carolを通りすごしてPerpignanからの鉄道沿いをしばらく走り、スペイン側からアンドラ入りしました。所要1時間半。鉄道沿いの道路を進みながら、名物・屋根ナシ黄色のトロッコ列車(夏季限定、線路の幅も普通よりずっと狭くオモチャのよう)も観られて幸運でした。次は、Gare de LyonからTGV地中海線の終点Perpignanに出てこのトロッコ列車に乗りかえアンドラ入りしたいと、もう次の旅程を考えました。山間部方面はさらに開発がすすみ別荘が多くなりました。ここに住所だけ移して節税しようという人が増えているそうです。

街の歩道はVacance真っ只中で人に溢れ街しか見ないと『アンドラは買い物の街』と言われる所以に納得しました。デパートのピレネーの辺りよりも坂を降りて川を渡ったエリアの方が人出がありました。小さめのデパート・Roca&Ribは以前より品揃え充実、デパート・ピレネーより安価です。その裏手の新しいモールでは万年筆やデスク周りの小物の店escriptで美しい万年筆に釘付けになり、イタリア製のViscontiは素晴らしい。他AuroraDelta、スタイリッシュな日本のトンボの万年筆もありました。もちろん日本人好みのMontBlancも。万年筆は実用を兼ねた装飾品と実感できます。私が愛する機能美とも異なる美しさ。

温泉・Escaldesに通じる新しい道路が開通し、その周辺にもショッピングゾーンができました。MacDonaldやBurgerKingなどファストフード店が増えました。特に車で出入りしやすい少し外側のエリアに。

友人一家の末息子が2週間のキャンプから帰るので迎えに行ったところ、8歳から18歳まで国境を越えて子供達が一緒にキャンプをするそうで、迎えの家族を交えて最後のBBQでは小さな子供達も顔つきが自信に満ちて輝いていました。ハイキングした高原では冷たく澄み切った空気は適度に湿気があり本当にすがすがしく、肺を掃除しました。何時間歩いても疲れないのは何故でしょうか。末息子は小川に所々落ちているビニールや缶を拾いながら歩き車道のクズかごに捨てるので、私も真似しました。El TarterとSoldeuの間のInclesで、スキー場の前のロッジHotel Parador Canaro(Tel.+376 851-046 & 851-346 Fax +376 851-720 Incles-Soldeu, Principat d’Andorra e-mail:hotelparadorcanaro@Andorra.ad) レストランにて地元料理、アンドラン・ソーセージやパエリヤを食べました。ソーセージは皿の直径の2倍近くあり太さも3〜4センチという食べ応えのあるサイズです。パエリアは濃厚な味付けで鶏肉と魚の両方が入り、当然ながらサフランもたっぷり使ってボリューム万点でした。

56個のエスカルゴが今回私のお腹でご愁傷様、フランス産より小さめで、食べるときに内臓部を殻の縁でちぎりながら食べます。サザエの肝のほろ苦さに似た肝を食べないのももったいないと、最初の10個くらいは肝まで食べましたが、沢山食べるには肝は食べないそうです。オイルたっぷりなのでエスカルゴを食べるときはあまり水を飲むとお腹を壊すと小さいころから親に言われるとか。そのとおり、お皿の殻が山盛りの頃は胃袋に油の存在を実感します。ホテルFloraの前のY字路坂道を登って右側の店です。店のカードは行方不明にてご容赦ください。Riojaの赤ワインCote de Imaz(たしか‘96)を一本頼み4人で250Euroくらいでした。

和食専門店はなく、普通のレストランに和食メニューがありました。全10品程度で巻き寿司などがメイン。天ぷら23Euro。焼き蕎麦6Euro。味噌汁3Euro。場所はスーパーEscaleの表通りの反対の出口を出て左側の広場の奥にある新しいビル。夜遅くまで開いているレストランバーです。和食は温泉・Escaldesに通じる道路沿いのファストフードにも日本食があるとのことでしたが、今回は機会がありませんでした。

高級ワインショップもお目見えしました。ワインリストにはフランスを中心に高級ラインが勢ぞろいし、日本でみかけるChateauxものはいずれも超高級なのだと実感しました。4泊の御礼にと友人には手頃な35Euroくらいのボルドーワインを送りました。場所はデパート・ピレネーのタバコ売り場から通りに出たところの並びです。日本のワインの価格はそれほど高いものではなかったのですね。

夏の最後とあって50%オフセールのお店が目立ちました。日本から無印良品のナイロンバッグと紙袋1つでアンドラに着いた私が、旅行中の衣服とスーツケースをここで調達したのは言うまでもありません。スーツケースはサムソナイト。日本よりよい色味のものがあります。私のは地味なオレンジ色のソフトタイプ。機内持込用のバッグも同じ色でそろえました。二つで160Euro程度、酒瓶をかつぐ同居人はハードケース(大)がセール品で97Euro。Roca&RibのBag売り場は種類も豊富です。狩猟用ブーツ(外側がゴム、内側が皮の優れ物でサイズ種類も豊富で定価なのに日本の半額以下で感動しました)が今回のヒット商品でした。東京でも私のサイズはなかなかよい品がないのです。

Euroになって物価高になった感あり。ペセタと併記されているので特に物価高を実感。(終わり)