車でフランスの田舎巡り    瀬尾 祐子さんの報告

今回、私たち夫婦は11月の半ばから末にかけてイタリアとフランスの田舎をレンタカーでめぐる旅行をしてきましたが、その折、このHPの情報がとても役に立ちました。今まで個人旅行も含めて、フランスはパリには何度かいったことあっても田舎は初めてです。日本で手に入る情報は限られているので皆さんの情報がおおいに参考になります。で、その恩返しとまではいかないとしても、今回の旅行の報告をいたします。

今回はイタリアのジェノバのコロンボ空港でレンタカーをチェックアウトし、イタリアン・リヴィエラを数日うろうろして(このあたりはいわゆる日本でガイドブックにのっているイタリアともちょっと違い、フランスのニースあたりとも違う素朴なリゾート地といった感じがいいですね)西へ移動。結構あっけない国境を越えてフランスに入り、どこでも見たことのない風景に感動しつつマルセイユ郊外のプロヴァンスの田舎街、ジェメノスの入り口にある、「マルセルの夏」という映画のロケに使われたというホテル「ルレ・ド・ラ・マドレーヌ」に宿泊しました。ここは広い敷地の中に、晩秋の落葉したマロニエの並木道と葦が生い茂り落ち葉が水面を覆う噴水がいかにもフランスらしい感じ。近くのジェメノス(Gemenos)は15分くらいで一回りできるような小さな街でしたが、プロヴァンス・ファブリックを使った小物を工房で作り、直売しているお店がありました。手頃なのでついつい自分のものや友人のお土産をたくさん買い込んでしまいました。地元の石鹸もいろいろな種類がおいてありオリーブの石鹸も買いました。その後、マルセイユとジェメノスの中間のオーバーニュという街へ。この街は特にたいした知識や情報もなくいきましたが予想外に雰囲気のいい街でよかったです。街のあちこちに出ているわかりやすい観光地図で一日あればゆっくり散歩ができてプロヴァンスらしいお店や家の街並みと丘の上教会などのフランスの小さな街を堪能できます。レンタカーでマルセイユ空港経由のリヨンまで飛び、またレンタカーを借りてワインの聖地ボーヌへ。ボーヌは小森谷さんのホームページの情報にもあったようにワインカーブがそこら中にあり、ワイン好きの夫は感激。ボーヌではレンタカーだったので駐車場のあるホテルで旧市街にも歩いていけて車でもアクセスし易い(これはレンタカーの旅にはとても重要です。よほど何度もいったことのある街とかホテルまでの地図がばっちりある場合以外はミシュランのレッドガイドなどを見て地図で検討つけていかないとホテルを探すだけで一苦労します)ホテル・ラ・ポステという所に泊まりました。このホテル、ドイツあたりが本部で組み合いみたいな「ロマンティック・ホテルズ」の会員で前にもイタリアのシチリア島のタオルミーナで泊まったホテルも設備がよかったし、ここも快適で今度またヨーロッパへ行くときはこの会員のホテルもいいなと思っています。ボーヌ観光案内所から出ているワインツアーは冬季にはやはり一つのツアーのみで、私たちのいってみたかったロマネ・コンティの畑など(ミーハーな私たちです)にはいかないということだったので地図をたよりにワイン街道をあちこち回ってみました。おかげで有名な畑やドメーヌを探せたし、ワイン街道沿いのCAVEに寄り道して地元ならではのワインを試飲したり買うこともできました。ガイドブックにはよくのっているカーブのマルシェ・オ・ヴァンもいいですが、ボーヌからディジョンに向かうワイン街道を旧市街を囲む城壁からちょっとボーヌの市内に戻った左手にパトリシエ・フェレ・エ・フェス(だったかな?)という大きなカーブがあり、こkも種類は豊富だし迷路のような地下カーブもおもしろいです。試飲も入場料込テストヴァン付き50FFでのみ放題だし種類も豊富です。ただし順路の手前のほうが安いものが多く、酔わないうちにいいワインを試飲したければとりあえず一通りみてから選んで試飲したほうがいいと思います。フランス人の基準でできているので日本人の標準的な肝臓の持ち主で欲張って全部試飲してしまうとベロベロになります。このカーブは市内の観光案内所のすぐそばにも支店がありました。その後、ディジョンの駅前でレンタカーを戻しTGVでパリへでました。

私たちのような大都市の観光中心という旅ではなく街めぐりが目的の場合は、一人旅だと無理かもしれませんが、レンタカーでヨーロッパを移動するのもかなり楽しく、小回りのきく旅になることうけあいです。イタリアもフランスも道路標識や高速道路の整備がされていて、サービスエリアも充実してドライブしていても快適でした。若干、イタリアとフランスとでは表示の決まりごとがちがいますが、国境を越してしばらくするとすぐなれました。ただ地名を人に聞くときにイタリアは基本的にローマ字読みしてもだいたいの発音ができるのが、フランスはなかなかそのあたりが難しいので(フランス語ができる友人にいわせれば規則さえおぼえれば簡単というのですが・・・)とまどうことも多かったです。あとは左通行か右通行の違いや運転席の違いはなんとか意識して注意すればなんとかなると思うし、慣れないうちはとばさず、後ろの車にゆずるくらいの余裕をもてればひやひやすることもないと思います。ただ、慣れない時はレンタカーを借りる場所には要注意で大都市のど真ん中の営業所で借りてしまうと、都市を脱出するだけで半日くらいかかることがあるようです。私たちも初めてヨーロッパでレンタカーを借りたのがミラノでそれも中央駅横のハーツの営業所でしたが、ミラノをでるのに慣れない車で土地鑑のない場所という悪条件、さらに大都市なので交通量は多いし車線も多く表示も読み慣れないし、おまけに一方通行も多いのでとても難儀したことがあります。一番いいのは日本から着いた日に空港から借りてそのまま高速かなんかにのって田舎へいき転々として最後も空港で返すのがベストだと思います。空港のレンタカーの窓口はわかりやすいところにあるし、車の置いてある所もエレベーターかエスカレーターで移動できてカートが使えます。重い荷物に困ることないし観光するときも大きな観光地でなければ車上ねらいの強盗もあまりいないので金目のものをむき出しにしなければ危険も少なく手ぶらで身軽に観光できます。私たちはなんとか今のところいやな目や恐い目にあわずなんとか無事にいってきてます。列車の旅も魅力ですが時刻が決まっていたり、行きたいところが乗り換えが多かったり、荷物を自分で運んだり駅から目的地までが移動が大変だったりでもどかしいことがあります。都市から都市の移動はいいけれどあちこち小さな街をいってみたい時は車の旅をお勧めします。

ドライブのアドヴァイス

レンタカーは使いこなすととても快適で便利です。私たちもレンタカー派なのでそういう仲間が増えるのはうれしいですね。しかし、運転に自信があるというだけでは海外、特にヨーロッパ(フランス、イタリア)でのドライブはあまりおすすめできません。というのも、運転技術はうまいへたいろいろ個人差があり、運転に自信のない方はおそらく海外で運転なんてと、レンタカーの旅行計画は考えないと思います。しかし、運転が好きだったり、日本ではうまくできる、とかアメリカやハワイなどでは無事だったという方が、ではヨーロッパでもと思い、簡単にレンタカーでと考えるのは当然といえば当然です。

ところが、みなさんがかなり忘れがちですが、フランスなどでのドライブに不可欠なのはナビゲーションです。フランスやイタリアなどは街中が狭いのに、みなさん運転が荒いです。それなりの感覚があっての運転なので大きな事故にはなりませんが、かなり独自の暗黙のルールで運転されているので、こちらが慣れるのに大変です。田舎道でもこんな道でと思う細いところでもかなり無謀な運転をしてくる方がいます。駐車場も観光地では探すのに時間がかかりますし、旧市街、新市街の区別がある街だと時間帯では旧市街に入れなかったり、はいれても駐車場がなかったりでぐるぐる回ってしまいます。運転者は日本と違う交通ルールにとまどい、慣れるのに精一杯で交通標識、標示板、道路、風景までは気がまわりません。助手席のナビゲーターが次の行動まで予測し、運転者に不安を与えないナビができればいいのですが。地図でみればこういってああいけば、と思っていても現実とは違っていたり、交通事故などで交通止めになっていたり、渋滞していたり、様々な予測し得ない状況にも対応できる気持ちの余裕と計画でないとあせりと困惑でパニックになります。

海外旅行の場合、2〜3人などの少人数で特にレンタカーの場合、車の狭い空間にお互い煮詰まってしまうとその後の旅行まで台無しになりかねません。

私たちもここ何年かレンタカーでイタリア〜フランスを回っていますが、大まかなルートと宿だけは決めて、あとは観光する場所は時間があればという感じで決めないでいっています。今日はあそこにいって、こっちいってとやっていると時間が押してきて本来の目的地にいけずどうしようという状態になってしまいます。(これに近いこともありました。こういうときは気持ちに余裕がなくなりせっかくの景色などにも感動できなくなります)

あと、老婆心ですが、、夜はご自分の運転でレンタカーでお城を見にいかれるのはちょっと危険かも。夜の街灯もない田舎道をいくのはかなり気疲れします。どうしても夜もということであるようならタクシー等でいける場所であればホテルに頼んでタクシーでいかれるのをお勧めしたいと思います。事故やら迷って困るよりは多少の手間はおしまないほうがいいと思います。

短時間、短日数であれもこれもと日本でドライブの計画をするようにプランを立てるとかなり無理があるのが現実です。初めての運転ならかなり余裕のあるプランをとアドバイスしたいです。