冬にブルゴーニュ行って来ました(濱田邦子さんの報告)

パリ、ディジョン、ボーヌ、ソーリューのコートドール

私は現在主人の仕事の関係で北京に住む主婦です。今回、11月25日から12月2日まで結婚1周年と遅い夏休みをかけてフランス(パリ、ディジョン、ボーヌ、ソーリューのコートドール)、ロンドンに行って来ました。

パリは主人は2回目(10年ぶり)、私は3回目(11年前、3年前に訪問)です。私はイタリアのトスカーナに一時期はまり、次はフランスの田舎に行ってみたいと思っておりました。 それから、食べることが大好きで、私もあのベルナール・ロアゾー氏の「星に憑かれた男」を4年前に読んでいて一度コートドールにいってみたいとかねがね思っておりました。

まず、パリに到着して失敗したこと。それは、シャルルドゴール空港からRERで北駅まで行ったことです。大きなスーツケースを持っているのだからタクシーに乗ればいいようなものですが、うちの主人は電車好きでとりあえず試してみたいということで乗ってみました。 まず、乗車した時間が悪かった。思いきり夕方のラッシュとバッティングしてしまい、電車の中は北駅までずっとぎゅうぎゅう詰め。私達の大きなスーツケースが邪魔になり乗客の皆さんからは冷たい視線。電車の中は気疲れで、降りるときには改札機にスーツケースがはさまって通れなくなって私の後の長い列からはブーイング。 RERは荷物を少なく、さらにラッシュ時間を避けて乗るべきです。

その日の夜はサマリテーヌの上にあるトウーパリーに行きました。ここは夜景がきれいで有名なレストランですが、ライトアップされたポンヌフを見おろせて本当にきれいでした。 (味はそこそこ) フロアーはとても広いのですが、いかにも仕事帰りといったおしゃれなビジネスマンとビジネスウーマン達が多くほぼ満席でした。

2日目はランチにMaxenceというレストランに行きました。 ここは日本の女性誌で今年の夏に見つけたところで、ニューオープンながらも話題の実力派として紹介されていたところです。 (シェフはアピシウスで10年修行していた方らしい。)ここはおいしかった! おすすめです。 ランチのコースなら前菜とメイン、デザート各種5種類くらいの選択肢があり、それぞれグラスワインを頼んで2人で550Fくらいでした。(9 Bis, Boulevard du Montparnasse 75006 Tel:0145672488) ところで、残念ながら今回は行けませんでしたが私は3年前にパリの食通の駐在員のお薦めでアピシウスで食事をした時非常に感動して、それ以来ファンなのです。 東京にも支店があるそうですが、ご存じですか。あんなにおいしいくて、サービスもいいのにそれでもアピシウスはまだ2つ星なんですね。

3日目、朝からTGVでディジョンまで行き、ランチにギャラリーラファイエット横のLe Grand Cafeで名物のブフブルギニョンとエスカルゴを食べました。 やはりすごいボリュームのムニュでしたが、おいしかった。 買い物帰りの家族連れでいっぱいでした。  食後、ディジョンからバスでボーヌに向かいました。 電車より時間はかかるけど(約1時間)ずっとワイン畑の中を走っていくので風景をずっと楽しめて大正解でした。 しかも、中心部に宿泊するならバスの停留所からの方が近くて便利。 後で、散歩で駅まで行ってみたらタクシーなんて全然待機していませんでた。 Le Cepに宿泊しましたが、ホテルの人もすごく親切だし建物も伝統的で豪華ですごく雰囲気があってよかった。 観光局にも近いしお薦めです。 多分ボーヌで一番いいホテルじゃないかな。シーズンオフということもあって、パリから電話で予約をいれたらOKでした。 ダブルルーム1泊で朝食も食べて全部で1000Fくらいでした。  

ボーヌという町は本当に美しくてかわいいところでした。 こんな季節でも町のあちこちに花が飾られていて、ワインやさんとワイン関連ショップとショコラティエがいっぱいで、どれもこれもおしゃれな店構えで絵になる。 歩いているだけで楽しかった。楽しみにしていた、観光局のワイナリーツアーはシーズンオフということで今は1日1回3時出発しかなくって時間が合わずあきらめました。 残念。  そのかわり、観光局のすぐとなりのホールででワインの見本市のようなものをやっていたのでそこで我慢しました。いろいろなドメーヌが自分のブースを持っていて、入場料30Fをはらうとグラスをもらえてそれで試飲させてもらって気に入れば買うこともできるといった感じです。 Vin aux Marcheにも行きましたが、あまり気に入ったワインに出会えず見本市の方で3本ほど購入しました。

翌日、ボーヌからソーリューまでバスもなくて、結局タクシーで行きました。約1時間650F。(レンタカーの旅でないとこのへんは何かと不便ですね。) おじいちゃんの運転手で、田舎の一本道を130kmくらいでびゅんびゅんとばしてた。 牧歌的な景色が続いて「これがコートドールなんだなー」って私は景色に見とれていましたが、2人ともしっかりとドアの上の手すりにつかまり主人はかなり酔っていた様子。 それで、とうとうコートドールに到着! ホテルの入口を入るなりこちらが名乗る前に「ムッシューハマダ?」って聞いてくれてちょっと感動。受付でなんの記入もせずそのまま部屋に案内されました。(予約はルレシャトーのホームページを見て、メールでしました。本当に便利ですよね。)今コートドールは一部リノベーション中で部屋に行く途中思いきり屋内の工事現場のなかを通りました。 そんなところを見せられて、少しがっかり。 でも、私達の部屋は大変よかった。 まず、部屋が普通サイズに比べてかなり広い。バスルームも広い。(別に広い部屋というわけでなく、普通でこうなんだと思う)窓からは庭が一望できて、インテリアが真紅と水色でそれもまたセンスがよかった。机の上にはロアゾー氏の載っているゴーミヨーの雑誌がこれみよがしにおいてあり、3つ星レストランのシェフってほとんどタレントなのねって再確認しました。

さて、ディナータイム。 まだ時差ボケのとれない私達は眠くなることを想定して、一番早い7:30PMに予約をいれました。 レストランの入口ではギャルソン達を従えてロアゾー氏が握手でお出迎え。私達と同じ時間に他に2組ほぼ同時にウエイティングバーに入りました。アペリティフにシャンパンを頼んで、おいしいアミューズを食べながらここでゆっくり時間をかけてメニューを見ました。フランス語のメニューオンリーだったので、一応全部目を通してわからないモノだけをあとで英語のできるギャルソンに説明してもらいました。2人とも第2外国語は仏語ですが、もう忘れてます。 でも、食べ物の単語はだいたい覚えてるんですよね。やはり食い意地が張っている。(あんなに有名レストランなのに、英語のメニューもないし、ギャルソンも英語を話せるのは1人くらいだった。驚き!) 結局、私は前菜フォアグラ、メイン帆立貝を頼み、主人はシェフのお薦めコース(ハーフポーションの4皿とチーズ、デザート3皿で980F)をオーダーしました。 私でも、かなりヘビーでなんとかデザートもこなしたという感じですが、主人はデザートの時にはもうほとんど拷問状態だと言っていました。 量が多すぎる。 食事が終わると、3分で部屋に戻って寝ることができるというのがいいですね。 おいしいワインも手伝って2人とも即沈没しました。 全体の雰囲気もよかったし、おいしいのはおいしかったのですが、期待が大きすぎたせいか実は少し「こんなもんか。」という気もあります。 料理なんかは好みでいうと、実はパリのアピシウスの方がずっと鮮烈な印象が残っています。 値段はコートドールの方がすごく高いですけどね。 三ツ星とはこんなもんなんですね。1つのブランドだから、高くておいしいのは当たり前。でも、関西人の私としては安くておいしいものを追求する方が性に合っている気がします。次はまた、一つ星や二つ星もしくは星無しでもおいしいところを探したいと思います。

ところで、パリからロンドンまで電車好きな主人のリクエストで初めてユーロスターに乗りました。1等で1人3万円強。あんまり高くて、びっくりしました。(のぞみより高い!)週末や往復だともっと安いらしいのですが、平日、片道でしかもユーレイルパスもなければなんの割引もありません。     濱田 邦子