フランス、現代食事事情、いったい何を食べているの?

フランスのGAUT MILLAU (ゴーミヨー)という本は、ご承知の通り食通の間で人気がありますが、No.329  1998年6月7月合併号に現代フランス食事事情の記事が掲載されていますので、その一部をご紹介いたしましょう。(著者Nicole Piantanida)

その1:フランス人はBAGUETTE(長いフランスパン)が好き


フランス国内では、年間1億個(一日当たり27万4千個)のhamburger(ハンバーガー)が消費されてはいますが、



それ以上に年間8億個(一日当たり219万2千個)のsandwich(フランスパンを使ったサンドイッチ)が消費されている。
このように、いまだにbaguette の国なのです。

その2:フランス人の日常の食事一日当たりの平均値

今日、フランス人の平均的な食事は一日当たり1、700から2、000Kカロリーです。
(意外に、少ないでしょう。日本人の方が食べ過ぎているかもしれませんね。)
ここに、その食事で摂取する内容の平均値を挙げておきます。

米10.7g, ビスケットと香辛料入りパン24.7g, 麺類パスタ類18.4g, パン165.7g
じゃがいも197.8g、 新鮮野菜245.6g、 冷凍野菜17.5g、 バナナ19.2g,  
柑橘類38.6g、 その他の新鮮果実122.7g、 ジャム6.9g、 ハム14.6g、 
臓物11.2g、 牛肉46.9g、 子牛肉11.7g、 マトン子羊肉9.9g、 鳥肉60.7g、
卵38.8g、 魚えびかに貝43.4g、 牛乳20cc、 生クリーム9.8g、 ヨーグルト47.5g、 チーズ48.4g、 バター21.1g、 油30.2g、 砂糖25.6g、 チョコレート(粉または板状)10.4g、 冷凍食品5.5g、 ワイン11.8cc、 シャンパン0.55cc、 ビール10.4cc、 ミネラルウオーター25.3cc、 炭酸飲料8.5cc、 
コーヒー13g、 紅茶0.6g       (出典INSEE/LE POINTによる)

その3:フランス地中海に面した地方の伝統的な食事の献立

図の右側の太い点線の下側が毎日食べる物、中段の点線と点線の間が一週間に何度か食べる物、点線より上側が月に何度か食べる物(人によっては、しばしば食べるが、そのときも赤身の肉を少しだけ)

このように、地中海側の地方では、パンやでんぷん質を沢山、肉はほんの少量、果物や、野菜を沢山食べている。このような食物構成は、食物繊維を沢山含んでいて、血液中のコレステロールを減らし、さらに、オリーブ油は悪玉(LDL)コレステロールを減らし心筋梗塞を予防する。赤ブドー酒も同様の効果。他の地域の人も、地中海地方の食事を見習うべきだと述べています。

その4.結語

(フランスでは望ましいアルコール摂取量を一日最大60gまで、としている。これに対してスエーデンは6.7gまでと10分の1にしている。塩分については、アメリカ合衆国、ドイツが一日10g以下、イタリアが8.75g以下、イギリスが6g以下。卵については、アメリカ合衆国が週14個以下、ドイツ、イタリアが週3個以下、イギリスが週1個以下の摂取を推賞している。ーーーというわけで、フランスとしては、一応、週14個の卵としているが、塩も卵も最適な摂取量を、はっきり決められないのが実状だそうです)

著者は、パン、にんにく、オリーブ油という粗食が、健康に一番だ、と結んでいます。

(私からのアドバイス:朝食向けにトーストしたパンに、生のにんにくの断面をこすりつけて、香りをうつし、その上にバージン・オリーブ油を適量たらして食べる。)