BARBISON バルビゾン                  

この夏の旅行の帰国当日(7月29日水曜日)、ホテルに荷物を預けて、バルビゾンに日帰りで行って来ました。これは、銀座飯田画廊の若主人である飯 田哲さんのお手製の詳しいガイドブックが実現可能にしたものです。私にとって一番重要な情報は、バルビゾンの施設は、毎週火曜日がお休みだ、ということで す。私の最初の計画では、ディジョンからパリに帰る火曜日にバルビゾンを訪れることになっていましたので、危うく何も見学できないところでした。

朝8:27パリ・リヨン駅発(地上ホームのG番線)Laroche Migennes 行きの普通列車に乗ります。とても長い連結の車両です。飯田さんのガイドにしたがって前の方の車両に乗り込みました。フランス鉄道パスを持っていたので一 等車にしましたが、通勤列車なのでしょうか落書きだらけの車両で、椅子の質といい、室内といい2等車と全く同じですから、キップで行かれるなら、2等を買 いましょう。8:56 Melun ムラン(むしろムレと発音した方が通じるようでした)着。帰りの時刻を確認して、駅の外のタクシー乗り場にいくと、中年のおじさんがタクシーを待っていま した。15分くらい待ちましたが、タクシーは現れません。向かいのカフェには入り、コーヒーを飲みながら、カフェのおばさんにタクシーを呼んでいただけま すか?とたずねたら、タクシー乗り場で待ちなさいと言う返事が返ってきて、結局また元のタクシー乗り場に戻って待つことになりました。30分過ぎた頃、タ クシーが来ました。しかし一台きりです。しんぼう強く待っていたおじさんが乗り込んで、タクシーは走り去って行きました。ボーヌの駅前のときを思い出し て、心細くなりましたが、数分後に、タクシーが来て助かりました。バルビゾンまでの途中の景色は、昔わが町が村と称していた頃の風景そのもので、道まで生 い茂った雑木林と、黄金色に染まった小麦畑が主役です。15分位でバルビゾンに着きました。料金100フラン。静かな通りです。

テオドール・ルソーの住んでいたという家(今はインフォーメーションがはいっている)と教会を見て、いよいよミレーの家(写真左)に入りました。飯 田さんと親友である、ミレー美術館館長のG.A. RICARD リシャール氏(写真右)にご挨拶しました。氏はとても博学な方で、英語、フランス語、時には日本語を交えて説明して下さいました。エクスレバンの美術館 に、ミレーの作品があり、日本のフジタの作品も2点展示されているよ、と教えて下さいましたが、残念ながら私はエクスレバンの美術館には入らないで来てし まいました。ミレー美術館館では2000円位でミレーの作品のミニチュア版のおみやげを買うといいでしょう。

10時からは、ガンヌの旅篭(写真左)という、かつてバルビゾン派の画家達が住んでいたところが、美術館として公開されていますので、そこに入りま した。作品、部屋、壁の落書き等、とても見応えのある施設です。一階の部屋では、30分毎に、バルビゾン派の画家と歴史とを紹介する映画を、迫力ある音響 とともに上映しています。12時にガンヌの旅篭から外に出ると、一台のバスが止まって、色黒のおじさん達が、ぞろぞろ降りてきました。どこにはいるのでも なく、集団でうろついています。どこの国の人たちなのでしょう。高い物しかうってねえよ。と言う声。日本人でした。数分後に一斉にバスに乗ったかと思う と、走り去っていきました。彼らは、これでバルビゾンにも行って来たということになるのでしょう。あたりは、元の静けさに戻りました。メインストリートを 抜けると、そこはもうフォンテヌブローの森(写真右)です。下草が刈り込まれていて、すがすがしい森で、きのこも生えています。

おなかが空いてきたので、森の散歩は早々にして、森に一番近い、Host.de la Dague で昼食をとりました。少し気取ったギャルソンに囲まれて、お客は私達家族3人だけ。なんとなくこちらも緊張してしまいます。突き出しに、エスカルゴが一人 3個ずつ出てきました。(お子さま定食の子供にもですよ!)これは、最高においしくて、次のお皿が期待されました。ところが、客が少ないので、見習いシェ フにでも作らせたのでしょう、3人とも違う料理を頼んだのに、肉、魚の違いはあっても、クリームにムール貝を入れてだしをとった白いソースがかかっている 同じ様なソースがかかっている料理が出てきました。ところがムール貝の口が開いていないのです。貝が古いのではなく、火の通しが不十分で開いてないのです (むりにこじ開けて貝の生を確認)。これではせっかくの貝のうまみがソースに出てきません。いやになってきて、料理を残してしまう。最後のデザートは、芸 術の村にふさわしく、美しい作品で、食べるのが惜しいくらいでした。そしてとてもおいしくて、ボリューム満点。さすがの子供も残してしまうほどの量でし た。始めと、終わりがよかったから、よしとするか。それに貝のだし汁を加えたクリームソースを、ゆで肉にかけると言う、料理法を覚えたし(帰国後にハマグ リと牛乳で作ったソースを作り肉にかけ、うまくいきました)。とにかく帰国する日でしたので、ギャルソンにタクシーを呼んでもらい、Melun 駅まで戻ってしまいました。帰りの列車まで1時間以上あるので、Melun の町の中の公園を見つけて、ベンチで横になっていました。見上げると、青い空に白い雲が走り、ポプラの葉が風にそよいでいました。Melun 15:17発パリ・リヨン駅15:43着

ホテルから預けていた荷物を受け取り、タクシーでシャルル・ドゴール空港に着く。

同じ空港でも、日本航空と、エールフランスでは、建物が違うのですが、入っている免税店まで違うとは気が付きませんでした。エールフランスのときに はあったCD売場が日本航空の方にはありません。去年のように、フランスポップスのCDを買って帰ることが、今年は出来ませんでした。以前、テレビの映画 でシャルル。ドゴール空港の職員食堂では、兎の肉料理が多くてうんざりだ、というのを見たことがあるので、離陸する際空港の地面を見ていたら、本当に茶色 の兎が沢山住んでいて、土に穴もあいているし、何度も跳ねている姿を見ました。皆さんも今度、お出でになったらご覧になりませんか。

今回の旅行でバルビゾン行きには、飯田哲さんお手製ののガイドブックがとても役立ちました。飯田哲さんは、毎年2回はバルビゾンにお出でになるそう で、まさに生き字引です。詳しい情報を知りたい方は飯田 哲(様)<lafontaine@s9.dion.ne.jp >までご連絡されると良いと思います。そして、帰国後には、飯田様にお礼かたがたご報告されれば今後の参考になることでしょう。最近(2009 年)。飯田さんからメールをいただきました、その内容は:リシャールさんは、残念ながらお亡くなりになりました(3年くらい前でしょうか?)。 ですか ら、現在では別の方が管理人をしています。 以前は無料でしたが、現在では入場料が必要となりました(4ユーロです)。 入り口を入ってすぐ左の壁に、金魚鉢のようなガラスの料金入れがあり、そこに お金を入れるようになっています。 しかし入場料をすぐに入れると奥から管理の女性が「お金を払いましたか?」と言ってくるので(時にしつこいです)、そ の人の目の前でお金を入れると良いでしょう。 公的機関が運営しているのではないせいか、領収証を貰ったことがありません。
 「ミレーのアトリエ」のHPが 公開されています。アドレスは「www.atelier-millet.fr」 です。題名は「L’atelier Jean-Francois MILLET」です。 行かれる前にチェックしておくとよろしいかと思います。以上:
 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。お礼の意味で、今度みつけた、安くておいしいパリのレストランをご紹介しましょう。

12区にあるレストラン La Flambee 住所 4r.Tain e TEL 43 43 21 8 0

ここはフランス南西部の料理が売り物で、二種類のフォアグラ、3種類の焼き肉、デザート、ボルドーワインの小瓶までついて180フラン。特にフォア グラが絶品、一緒に付いてくる薄いトーストに塗って食べると、涙がこぼれるほどおいしい。こんなにおいしものには、めったに行き会いません。パンだって、 お客さんが来てから、その都度切って出す、こだわりの店。 夜7時15分開店ですから早めにおいで下さい。(ただし8月はバカンスで休業。)

地下鉄DAUMESUNIL 駅下車、エスカレーターのある出口から出てから、 Rue Taine を探し、レストランAu Trou Gascon を通り過ごして100メートルほど先にいくと道の角にあります。もちろんゴーミョーの、にわとりマーク、が貼ってあります。

フィガロ、パリマッチ等の新聞、雑誌などで絶賛。地元でも、安くておいしいと評判の店です(記事の切り抜きが店の前に貼ってあります)。