バスク旅行 その5.サンジャンピエドポー

8月17日(日)(その5)サンジャンピエドポーSAINT-JEAN-PIED-DE-PORT

朝9:59サンジャンドリュズ駅発TGV→バイヨンヌBayonne駅着10:22 ローカル列車に乗り換えバイヨンヌ11:07発→カンボレバンCambo les bainでSNCFフランス国鉄のバスに乗り換え カンボレバン発11:30→12:24サンジャンピエドポー駅前着。道路地図は用意してきましたが、ど の道がどれだか、迷います。少し歩いて分岐点に出て、とりあえずinformationへの案内板が立っている方の道を7分くらい進むと、大通りに出まし た。しかし坂道なので先が見えず、大通りの右手なのか、左手なのか戸惑っていると、hotel Pyreneeの看板が見えました。で、右手に行くと、ホテルの向かい側に観光案内所
informationがありました。地図をもらって、ホテルピレネーに荷物を預けて(午後3時にならないとチエックイン出来ない)、大通りから横に入っ て、城壁の門をくぐり、旧市街の通りに出ました。この通りも坂道で、しかも石畳でこれが昔からの巡礼街道です。いくつもレストランが有りますが、バスクの 鶏のメニューが目にとまり、Hurrup Eta Klikとういうレストランに入りました。入り口は狭いのですが、奥は中庭になって開けていて10卓40人分位の席があります。大きな菩提樹の下のテーブ ルは熱い日差しが遮ぎられて、とても良い雰囲気です。15ユーロのランチを注文。バスクの鶏poulet basquaiseは今回の旅で絶対食べてこようと決めていた一品。ーーー鶏肉、にんにく、バイヨンヌハム、エシャロット、タマネギ、ブイヨンの素、ピー マン、白ワイン、トマト、バター、きのこ、小麦粉、ズッキーニ、落花生油、セロリが材料で、調理には1時間を要する料理です。ーーーもう一品はローストチ キンを頼み鶏づくしの昼食です。

(バスクの鶏)
ゆっくり味わった後、ウエイトレスがテーブルに置いていった請求書を持って支払いに行くと、合計が70ユーロ。そんな高いわけがないので、明細を見ると、 4人分の席になっています。会計のマダムに、この伝票は間違いだよ、私達のテーブルは2人だよ、というと、あら失礼しました、と30ユーロに打ち直してく れました。てことは、誰か他の4人が、2人分の伝票で支払って出ていったってこと?お店が損したって! 知らないよ私は。
外に出て、先ずはシタデル城砦跡の道を汗をかきながら登っていくと頂上の中心部はお城ではなく学校です。その脇に展望台があり、そこからの眺望は絶景で、 連なる青い山、緑の牧場、赤い屋根と白壁の家、まさにピレネー山脈バスクの街にいるのだという実感がします。帰りは街中の巡礼の通る石畳の道を下りていく と、道端に苔むした水飲み場があり、冷たくて。その味はミネラルウォーター以上です。

余談ですが、この旅行中、一度もレストランでミネラルウォーターは注文しませんでした。カラフドロー(水道水)シルブプレで十分。バスク地方の水道水は、 どこでも美味しかった。巡礼の道に沿った家並みには当然、巡礼者のための宿泊所があり、Chambres Pour Pelerins(巡礼者のための部屋)と、表札が出ていたりします。

(上展望台からの眺望、下左水道蛇口EAU POTABLE飲める水の標識、下右巡礼者の宿CHAMBLES POUR PELERINS、よく見ると杖を持った人の印が)
巡礼の石畳の道を下っていくと川に出て、誰でも写真に撮りたくなる風景が展開し、足を止めてしばし見とれてしまいます。市街はその少し先で終わりです。そ こを右手に右折すると自動車の走っている、現代の大通りに出ます。右手には市庁舎とホテルピレネーが、左手には公園が見えます、公園の側道は坂道になって いて、そこを登ると、屋根のある木組みの大きな市場マルシェの建物があります。壁はなく柱で出来ていて、普段は空です。ここでは毎週月曜日に朝市が立ちま す。それを見込んで、私達は日曜日に1泊したわけです。
ホテルピレネーに戻って、奥庭にあるプールで泳ぎ、部屋の窓から見える山と、朱い屋根に白壁の家、バスクの風景をスケッチしました。このホテルのレセプ ションでは老齢のマダムが、出るとき、戻るときに親しく声をかけて下さいます。部屋にはマダムの心づくしのクッキーがメッセージと共にテーブルに置かれて 客を迎えます。夕刻、マルシェの建物に行くと、コンサートが開かれていました。日曜日ですから夜の11時まで続きます。
7時30分になりましたので、ホテルピレネーのディナーです。すでにお客さんで混んでいますが、予約してあるので大丈夫です。ホテルピレネーのシェフは Phillippe Arambide氏でミシュランの星を得ていて、著書も展示されていました。新鮮な地元を中心とした食材を、斬新な料理に仕上げて供することで評判です。 私達は72ユーロのコースをいただきました。繊細な盛りつけの料理が何品も出てきます。途中で、何を食べたのか思い出せないほどで,会席料理のような感じ です。

(ホテルピレネーのレストランと料理)

(ここで、写真を見るだけでは、つまらない、実際に食べてみたい、とおっしゃるあなたに特報。東京の渋谷に本物のバスク料理店があるのです。お友達の Sibazakiご夫妻が、私の帰国後1週間目に、このレストランに招待して下さったとき、私は驚きましたね。まだ舌が覚えている現地のバスク料理と同じ ものが出てきたのですから。お話を伺うと、なんとこのレストランのシェフは、正にあのホテルピレネーの厨房で修行してきたといい、来週は店を閉めて、バス クに食材を調達に行く予定だと言っていました。このレストランの名前は、サンジャンピエドポーといい、テーブル数が限られていますから、事前に予約をして いった方が良いでしょう。)
9時半に食事が終わって、再び夜の通りに出ると、異様な光景に出くわしました。たいまつをかざし、牛の仮面を付け尻尾を付けた男達が腰に大きなカウベルを 付けて、ジャランジャランと鳴らして、進んできます。その後から同じくたいまつをかざした女性達が白い仮面を付け白装束で、フォーク状の木の長い棒、箒の ような木の長い棒などを持って、声を上げながら総勢15人くらいで続いて行きます。彼らはコンサートの開かれている市場の建物内に進入し、聴衆の前で輪に なって数回行進し、再び夜の街に消えていきました。いかにも、古くから続く牧畜を表した土着の祭事らしい珍しいものに出会いました。

(上たいまつを持った牛、下朝市のチーズ屋とサラミ屋さん)
8月18日(月)
ホテルの朝食を取らず、7時に朝市に出かけました。まだ、荷ほどきを始めたばかりで、店は半分くらいしか出ていません。しめしめ、チーズ屋さんが出ていま す。妻にBREBISという字を紙に書いてもらって持って行き、お店の人にブレビチーズはありますか?と聞くと、もちろんだよ、と直ぐに包んでくれまし た。Brebisとはひつじのことで、そのチーズはこの地方の特産品です。後から来た妻がサラミを買おうというので、サラミ屋さんに行くと、4本10ユー ロと安い。日本まで持って帰れないから、1本にしとこう、と1本だけ買ったら6ユーロだって、なんか損したみたい。その後すいかを一切れ買い、部屋に戻 り、このチーズと、サラミとすいか、パンで急いで朝食をすませて、フロントの老婦人に別れを告げて、駅に向かいました。9:25バスは出発、10:13バ スはカンボレバン駅に到着。ここからは列車に乗り換えて、バイヨンヌに向かいます。ところが、バスのおばさん運転手さんが、突然、今日は乗客が少ないか ら、列車の運行は中止です、このままバイヨンヌまでバスになりますから、降りないで下さい、というのです。バスは列車より時間がかかるから大丈夫かな、と の私達の不安をよそに、おばさん運転手は途中でバス停で無いところでも停まって、お客さんを拾いながらのんびり走っています。余裕を持って乗り継ぎ時間を 設定しておいたのに、バスがバイヨンヌ駅に着いたときは、すでに乗り継ぎの列車は発車した後でした。安い方がいいと思って、指定列車のみ有効という切符を 買っていたので、この切符はもう使えません。その上、次の列車までには数時間待たねばなりません。万一、こんなことも有るかも、と事前に次の手を調べてお いてよかった。バスでBiarritzビアリッツに行く方法があります。駅前のバス停からではなく100メートル位歩いて川岸の橋に出たら、それを渡らず 橋の手前で 左手に150メートルほど歩くとFerryという名のバス停があります。ここでA2のバスBiarritzMairieビアリッツ市庁舎行きに乗ります。 料金1ユー ロ(24時間乗り放題券2ユーロ)と信じられない位バス料金は安い。11:20頃バスに乗車。市街地をすいすい走って30分ぐらいで終点ビアリッツ庁舎に 到着。バス停の隣にインフォメーションがあるので、先ずビアリッツの市街地図を手に入れ、ホテルRaddison blueラディソンブルーに行くにはどのバスに乗るのか教えていただきました。そこの警察の前の停留所ですよ、と簡単にいう。パトカーが停まっているの で、警察は直ぐ分かりましたが、バス停が見あたりません。建物をぐるっと回って、降りた停留所と反対の道にでると、停留所が連なってあり、どこから乗るの か。15番なのか、小一時間うろついて、12:40、結局13番のバスに乗り最寄りの停留所Heliantheで下車。直ぐ隣がホテルラディソンブルーで す。

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