バスク旅行 その4.バスク鉄道でサンセバスチアン行き

8月16日(土)(その4)サンセバスチアンSan Sebastian(バスク語名 Donostia)

前回訪れたときは、サンジャンドルズから直行バスで往復しました。朝夕1便ですので、時間が制約されるのが難点。今回は先ず国境の町Hendayeアンダ イエまで行って、それから乗り継いでスペインに入る予定です。フランス国鉄SNCFは、本数が少なく、ほとんどTGVだから距離は短くても特急料金が加算 され、不経済です。そこで、サンジャンドリュズ駅前からアンダイエ行きのバスを調べると、Hendaye Plageアンダイエ海岸行きは本数が多く景色が良いけれど、海水浴のために行くわけで、終点からアンダイエ駅までは遠いし、坂道を登ることになりますの でこれは無理。これとは別にサンジャンドリュツ駅前から、アンダイエ駅までのバス316番があるので、これで行くことにしました。9:10発で9:32 着。近いものです。バスは海の見えない内陸部を走ります。代金片道一人2ユーロ。フランスは他の国よりバス代が安いと思います。バス停で降りて道路、駅を 見渡しても、スペイン行きの乗り場がみつかりません。仕方がないので、国鉄アンダイユ駅のインフォメーションの人に尋ねたら、駅を出て右側に行くと、すぐ に地下鉄乗り場があるから、とういことで歩いていくと、なんとバスが走ってきた道路の坂の足下側面にそのスペイン行き鉄道駅がありました。だから道路から は見えなかったわけです。

(左 上サンジャンドリュズ発のバス、右上フランスSNCFアンダイエ駅、中バスク鉄道エンダイア駅、路線図、下左列車、右切符)
駅の表示は 「euskotren    metro  donostialdea  Hendaia 」とスペイン語ではなくバスク語で書いてあります。日本語に置き換えると、「バスク鉄道 地下鉄 サンセバスチアン線 エンダイア駅」です。バスク語では サンセバスチアンをDonostiaというのです。始発駅ですから行き先はすべてLasarte行きです。サンセバスチアン市街地中心まで行くにはどの駅 で降りるのですか?と、駅員さんにたずねたら、Amaraだと教えてくれました。切符は片道2.35ユーロ、往復4.7ユーロと安い!さすがスペイン。片 道35分です。大部分は地上ですが、確かに地下も走りますから、メトロなんでしょうね。新しいきれいな電車は30分間隔で出発していて、とても便利です。 例えばHendaia発10:03,10:33,11:03,11:33,12:03,12:33という具合です。先ず列車は国境のBidasoa川を渡 り、スペインのIRUNに入ります。駅の数は多いのですが30分後にはAmaraです。Amaraでは皆が降りますから、ぼやっとしてても降り損なうこと はありません。列車を降りて、帰りのために覚えておかなければと、外に出てから駅舎を振り返るとmetro donostialdeaと青いネームプレートが大きく出ています。


バスク語でサンセバスチアン地下鉄、これなら直ぐわかります。昔、バスク独立戦で危険な街だといわれていたサンセバスチアンも、今では表示は殆どバスク語 に変わり、平穏で、バスク国として、自立したような光景です。駅舎を出るとそこは美しい公園。駅を背にして公園右側の道路にInformationへの行 き先を表示があります。それに従って、15分ほど歩くと、大きな川の橋のたもとにある観光案内所に着きました。例によって、街の地図をお願いしたら、それ よりも1ユーロで地図付きの美食の案内がありますよ、というのでそれを買いました。ピンチョスのお店が沢山掲載されています、でも、私供からはどの店がよ いとは申し上げられません、と云われました。

(地図を見ると旧市街にピンチョスの店が集中していることがわかります)
先ずは地図を頼りに教会内部をドッキングしたようなサン・テルモ博物館Museo de san Telmoを目指しました。ルーベンスとエルグレコの絵画が有るというのですが、ほんの数点しかなく、がっかりです。一方。バスクの歴史博物館としての資 料は沢山展示されていて、こちらが本命です。Josep Mara Sert’s murals of Basque lifeの絵が圧巻です。
(左 博物館、右教会)
博物館を出て,次はBASILICA SANTA MARIAサンタマリア教会を目指します。その途中はバルが立ち並び、多くのお客さんでにぎわっています。サンタマリア教会は入場料を払って入ります。そ の際いただいた刷り物をみると、最初は12世紀に建てられロマン形式、次に16世紀にBasqueゴシック形式が建てられ、その後、火事や、戦争で破壊さ れた。街を支配するUrgul城の下に位置するこの教会は、1940教会法により街の支配者として王冠をいただき、1973年にはローマ法王Paul6世 により聖母マリア昇天教会と認められ威厳を付けました。観るべきものは聖者の絵画と、教会内部の柱です。もうお昼です、早々に教会を出て、バル探訪です が、空腹に負けて、どこでもいいや、混んでいるが座席のある、大きい所に入ろうと、行き当たりばったり入りました。カウンターに並んでいる、コロッケ、海 老、ウナギシラスと海老、鰯の酢漬け、キノコピーマンマヨネーズを自分用の大皿に取り分け、その場で支払い、奥のテーブルについて待っていると、連れ合い も、なんとコロッケ、ビールなど持ってきました。
その際、カウンターで刺してある楊枝を手で持ってPINTXOSピンチョスを取ろうとしたら、楊枝が抜けて、取れない。店のおじさんに、土台のパンを手で 持たないとばらけちゃうよといわれたそうです。当然ですよね。空腹感から揚げ物、コロッケと二人とも発想したんでしょうね。これが小振りで、しかも中身が ジャガイモだけ、これだけは失敗です。
バル初体験が終わりました。お腹が落ち着きましたが、もう少し美味しい店が有るはずだ、ということで今度はインフォメーションで買い求めたグルメマップを ひろげて、たこと新鮮な海産物が売り、というバルISKIAを目指しました。

(ISKIAパンの上に四角いエビのムース,その上に海老)
ISKIAは、黒地に黄色の文字の看板。店の外に持ち出して食べている人もいます。ここではたこ、シラスウナギ、アンチョビ、海老などを小さなテーブルに 置いて、立ち食いで食べ ましたが、このバルの方がずっとおいしい。とくに大きな厚みのある海老のムースの上に海老が載った一品は最高でした。ここでもカウンター越しに支払いま す。実際こんなに混んでいては、後から合算なんて不可能でしょう。お城跡、や水族館は前回訪れたとき観たので、今回はスーパーでサフランを買ったり、美し いコンチャ湾を見ながら、地下鉄駅の方に歩いていきました。今日は良い天気。海水浴客でにぎわっています。帰りはmetro donostialdeaでAmara駅からHendaia行きに乗ります。もちろん30分毎の発車です。16:15発、16:50着。
道路のバス停で待っていると、時刻表と違わず正確に17:09バスが来ました。バイヨンヌ行きです。サンジャンドリュズ駅前には5:59到着。料金は一人 2ユーロ。
今夜は20年前に訪れた、スプーンマークのネオンが懐かしいレストランLaVieilleAuberge
に行きます。今回は前日にテーブルを予約していましたので、安心です。開店早々、午後7時に入りました。顔なじみの店主は見えません。彼は4年前に引退し て今は私がやっています、と初顔のマスターが言いました。そういえばテーブルの配置も前と違って整然としていて、学校の教室のようです。店内は以前のよう な熱気は失せ、普通の店になっていました。
(上巨大ポテト、下地魚のイカCalamars料理、イワシの鉄板焼きピメント添え)
料理も普通。イカはCalamarsで、小イカはChipironsといいます。ただ、付け合わせの大きなホイル焼きジャガイモだけが往時をしのばせまし た。残念。

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