バスク旅行 その3.リューヌ山

8月15日(金)(その3)今日はバスと登山電車を乗り継いでLa Rhuneリューヌ山に行きます。
バスの出発場所は、サンジャンドリュズ駅前ですから宿泊ホテル前でもあります。バスターミナルには案内所兼切符売り場があります。前日に調べておいたので すが、バス代と電車の往 復切符が一枚になった乗車券が18ユーロで買えます。出発は9時始発1時間おきに最終16時まで。
切符は当日売りで、切符売り場は8:45から開くということでしたが、案の定、切符売り場のおばさんが出勤してきたのは8:55でした。

(電車、バスが一枚に連なった往復切符)
急いで切符を買い バス停で待っていましたが、どこで乗るのか、はっきりしない。来るバスを捕まえては、行き先を聞いて、やっとSARE行きのバスに9:00乗車、お客は私 達だけ。15分走ったところで、橋の前で立ち往生、交通事故があったという。事故処理に1時間くらいかかるかも、運転手さんに一旦バスの外に出ますかと、 聞かれましたが、座っている方が楽なので、バスの中にいました。マイカーの気短なドライバーはUターンをして戻っていきます。幸い15分後に交通再開、 9:45登山電車の出発駅Col de St Ignaceに到着。受付に切符を見せると、列車が来るまでホームで待っていなさいとのこと。10:15発の列車は10:30に出発。ラック式(正確には シュトループ式というのだそうです)歯車ででゆっくり 登っていくのですが、車窓の景色は次々と変化して、実に楽しい。

(上右がサンジャンドリュズ下左が頂上の駅)
山頂の駅から数十段登ると展望台です。その横には電波塔が高くそびえています。今日は曇りがちで、心配でしたが、頂上に着いた頃から、一時的に日が差し、 お目当てのサンジャンドリュズの海や街がはっきりと見えました。山を取り囲むピレネー山脈も一望できました。それもつかの間、雲がわき上がり、視界がさえ ぎられると、雨までぱらついてきました。急いで帰りの電車に乗って降りてくると、列車の窓からは雨が吹き込み、麓の駅に着くと完全に小雨でした。
今日は8月15日国民の祝日のせいもあって、折り返し頂上に向かう列車は超満員。せっかく来たのに、寒いだけで何も見えないであろう、これから登る乗客は お気の毒です。
帰りのバスが来るまでに時間があるので駅向かいのお土産屋さんに入りました。3ユーロの孫の手を3本買い、その後で6ユーロのバスク料理のコンパクトな写 真付き解説本Recettes du Pays Basqueを見つけたので、孫の手2本を返して、この本と交換してもらおうと思い、レジに行ってみると、先ほど会計してくれたおじさんは引っ込んで、替 わってマダムが会計に出ています。思い切って事情を説明して、マダムにお願いしたら快く交換に応じてくれて、私のフランス語でもなんとか通じるものです。

 この解説本は、その後、レストランでバスク料理を食べる際に大いに役に立ちました。13:09雨の中を帰りのバスに駆け込んで、13:30サ ンジャンド リュズ駅前に戻りました。急いで歩いて、インフォメーションにほど近いレストランPil Pil Enea (3 rue Sallagoity)に13:40入店。今からランチ頼めますか、いいですよ、ということで間に合いました。

(左アショア、右チーズ、ガトーバスク)
早速、評判の高い一皿Axoaアショアをいただきました。私には幾分しょっぱいと感じられましたが、数ヶ月前まで味覚異常でしたから、当てになりません。 デザートはガトーバスク、とBrebis羊チーズのサクランボジャム添えと、すべてバスク料理。ふとメニューを見ると、24時間前に注文すれば T'toroトゥトロも出来ます、と書いてあります。給仕をしてくれる太目の男の人に、思い切って、あと6時間しかありませんが、T'toroトゥトロを 作ることは出来ませんか?と尋ねると、厨房の奥にいた、更に一回り大きなシェフと相談した結果、まあ今夜出せるでしょう。ということになり、今夜もレスト ランPil Pil Enea で夕食です。給仕のひとに、PilPilてどんな意味ですか、と伺うと、調味料のことだ、と教えてくれました。(後で調べたら、にんにくをオリーブ油の中 で弱火で炒めるときの音からPil Pilというそうです)
昼食後、海にいくと、今日は雨が降ったり止んだりで、ビーチで泳ぐ人も少なめです。スケッチをしていると、雨脚が強くなり、退散です。せっかく塗った水彩 絵の具も雨で滲んでしまいました。鯨通りという小道にその由来の解説板が立っていました。昔、この地方はモリを使った捕鯨が行われていたのですね。

(左クジラ通り、右砂浜)
午後7:30約束時間にレストランに入りました。大きな器にじっくり煮込んだ魚、海老、貝が沢山入っていて、とても熱い。ガーリックバタートーストがたっ ぷり付いてきます。これがT'toroトゥトロです、いろいろな種類の魚介を準備して、じっくり煮込んでありますから、時間がかかるのでしょう。その旨 さ、その分量に圧倒されました。これだけでじゅうぶん、前菜は不要です。

T'toroトゥトロ)
ブイヤベースよりも、魚介の身が多く、濃厚です。先ずいろいろな種類の魚介をいただいて、材料のエキスが濃縮されたトロッとした煮汁をガーリックバター トーストに付けて食べると、今までに経験したことのない美味しさ。だからトゥトロ?。最高です。
普通のSoup de Poissonsより油気があり濃厚です。T'toroトゥトロはバスク料理の最高峰といえましょう。デザートにアイスクリームをとって、全部で2人分で 66ユーロでした。

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