バスク旅行 その1.エスプレット

8月13日(水)(その1)エスプレット行きEspelette
羽田発pm10:15AirFrance0293便は定刻出発。私は3列目の真ん中で、窓際は群馬県太田市で自動車の座席を作って6年、日本語が普通に話 せるが、漢字が読めない日系三世のペルー人青年タカハシ・ロメロ君、富士重工はこのところ景気がいいですね、一時帰国だそうです。通路側は若い女性のルー マニア人ジュリアさんで、日本には広島原爆慰霊祭に出席して帰国途中だという、関心ですね。家はブカレストから100km離れた村だそうです。もちろん広 島のお好み焼きは2回食べて、美味しかったといっていました。彼女とは片言のフランス語でお話ししました。彼も、彼女も眠そうだったので、話はおしまい。 眠りから覚めて足元を見ると女性用のサングラスが落ちていて、フレームの一部が蝶番から外れて見あたらない。てっきり前の席の中年女性のものと思い声をか けると違うという。それは隣のジュリアさんのもので、彼女の足下に、とれた部品が落ちていました。お気の毒に、遅く席について荷物入れが満杯で、足下に荷 物を置いていたからでしょう。そうこうするうち、飛行機は早朝4:30分シャルルドゴール空港に到着。彼も、彼女もここから乗り継いで帰国するというので ここでお別れ。空港で旅行カバンを受け取って、出口を出ます。以前、コルス(コルシカ島)に行ったときも同様に夜行便でした。オルリー空港行きのバスの始 発の5時55分まで1時間半じっと座って待つしかありません。このときは乗り継ぎ客には係員が無料バス切符を配っていましたが、今回は各自が購入しなけれ ばならない、しかもバス代は往復一人35.5ユーロ二人で71ユーロ(一万円)もかかり、バスの乗車時間は片道1時間位ですから、エールフランスもせちが らくなったものです。6時50分直行バスはオルリー空港のOuest西ターミナルに到着。オルリー空港も以前より大きくなり、免税店も増えています。 チェックインはスムーズで、安全検査ではコートは脱ぎ、ズボンのベルトもはずさなければなりません。ところが、エールフランス国内便AF7480に搭乗し てからもいっこうに飛び立ちません。機内は満席でバカンスの子供連れ家族が多く、子供がぐずって騒々しくなってきます。理由は一人の客が30分遅れて搭乗 し、それを待っていたので出発時間が30分遅れになって、メルシーボークーボートルパシアンス(我慢してくださって有り難うございます)、というアナウン スが機内に流れますが、そんな簡単にいわれてもその後の予定が狂ってしまうので困ります。9:15出発、ビアリッツ・アングレット・バイヨンヌ空港に 10:20到着。小さな空港で、旅行カバンを受け取って10:30外出でるとすぐにタクシー乗り場があり、あらかじめインターネットで予約していたタク シーが迎えに来てるかと探してみても見あたらない。客待ちの空車タクシーが声をかけてくるが、予約しているからと、断らざるをえない。(こんなことなら ネットでタクシーを予約しなければよかった)15分待っても予約車が来ないので、空港内のインフォメーションのコーナーに行って、事情を話し、(私は電話 器を持っていないので)係の人にタクシー会社まで電話してもらいました。急いで来るそうです、という返事でしたので、タクシー乗り場で待っていましたが、 来ません。しびれを切らして11:15再びインフォメーションにお願いに行ったら、そこに今到着しました、と云われ、外に出てみると。別の会社のタクシー が待っていました、何でも運転手仲間が、急遽代理で迎えに来たとのこと。結局予定より1時間遅れの11:15タクシーは発車。やれやれです。おみやげに日 本から持って行った亀田の「柿の種」をあげると、嬉しそうにしていましたが、中年の運転手さんはどちらかというと無口で、必要なことをぽつっと云うだけで 面白みがない。緑の濃い山野の風景の中を走り30分少々で、幾分小高い所にあるEspeletteエスプレット村に到着。タクシーは慣れたもので、商店街 の端の一角にスペースを見つけて駐車。


おかげで売り場に直行です。商店街は合計で200メートル位の長さで図のように直角に折れ曲がっています。


降りたタクシーの前がPiment d'espeletteの専門店Lurretikで、他の店も見て回ったのですが、この店が品揃え、値段ともに一番おすすめで、私達は早速お土産品を買い ました。特産の赤唐辛子は穏やかな辛さで、さわやかな香りのする、魚料理、肉料理、サラダ、はてはチーズの上に振りかけても美味しくなる、特にバスク料理 には欠かせない万能スパイスです。一瓶5ユーロ前後で売られています。専門店Lurretikのパンフレットには5月から10月まで毎週火曜日、金曜日に 作業場の見学会をお店の前に11時集合で案内していると書いてあります。更にLa piperade basque という調味料の作り方が掲載されていますので、御紹介しますと、みじん切りのタマネギと赤ピーマンを混ぜ合わせ、更に皮むきトマトと塩、これに小さじ一杯 の(名産)赤唐辛子を加えて出来上がり。これはソーセージ、ハム、タラ、イカ、ご飯、パテ、詰め物などにとても合う調味料だと書いてあります。
ここで、購入した本「Autour du piment d'Espelette」から、内容の一部を紹介してみます。
製品のラベルに書かれたA.O.Pとは2009年につくられた(Appellation d'Origine Protegee原産地表示保護)のマーク。A.O.P.の地域はフランス・バスク国の10の村に限られ る。(Uataritz,Jatxou,Halsou,Larressore,Cambo- Les -Bains,Saint-Pee-Sur-Nivelle,Souraide,Espelette,Itxassou,Ainhoa)
A.O.Pマークには、厳重な規格があり、熟したものを手でつみ取ること、長さが7〜14cmで円錐形で艶のある赤色で、少なくとも15日以上自然乾燥さ せること、人工着色・添加物・保存料は禁止、piment d'Espelletとして承認されたものだけが市場に出されること。製品は、生の形そのもの、紐で結んだもの、粉末にしたものの3形態で出荷される。

(右とうがらしの3形態、左チーズ売り場)
生のものは8月から収穫を開始し、寒さで凍る前ま で続けられる。植物衛生上洗浄は禁止。
紐(タコ糸)で連結したものは2ヶ月間、自然の風で乾燥され、唐辛子のの色は赤から深紅色(暗い赤)に変わっていく。カリカリに乾燥した物は最 早、花柄は 消滅している。砕いて料理に使っても良く、2年間はこのまま保存できる。たぶん、中身の種は庭に蒔いて苗を作り出すこともできるかもしれない。 種は4月初 旬、苗床にまき、
25℃に保温すると10日ほどで発芽する。苗が2cmに伸びたら、今度は涼しい場所に移し1ヶ月半育てると5月15日頃には30センチの株になる。それを 畑に移植する。肥料は羊の堆肥。湿度を保ち、雑草が生えるのを防ぐために、ビニールのこもをかける。6月15日白い花が咲き始め8月15日から収穫が始ま り11月30日まで収穫は続く。収穫した物は、水分の80%が抜けた状態の完熟品ですが、更に、手袋をはめ、手作業で目で確認しながら、色の薄い物、形の 悪い物、しなびた物をとりのぞき選別する。
粉末は15日以上自然乾燥してから60℃で数時間熱した後、粉末にしたもの。
唐辛子の効用;唐辛子にはCapsaicineカプサイシンが含まれ、脳の働きを活性化する。
辛さを段階で表すと;ピーマン(0)neutre、ハンガリーパプリカ(1)doux,エスプレット唐辛子(4)chaud,カイエンヌペッ パー(8)torride,タバスコ(9)volcabiqueということで、piment d'Espeletteはマイルドな辛みで風味のある、使いやすい調味料である。
以上、「Autour du piment d'Espelette」という本からの情報でした。

商店街の真ん中付近には地元産チーズの専門店la Maison du Fromageがあります。私は山羊乳のチーズfromage de chevreが好みで、ロール状のソフトチーズを5.7ユーロで買いました。インターネットで紹介されている唐辛子で飾られたホテルは大駐車場の向かい側 にありました。1時間の散策を終えて、待っていたタクシーに乗り、13:30サンジャンドリュズ駅前のホテルBestWestern Hotel Colbertに到着。タクシー料金は約束通りビアリッツ空港→エスプレットEspellete(1時間の休憩)→サンジャンド リュズの行程で100ユーロでした。2名で空港からビアリッツ駅そしてサンジャンドリュズまで行くために要する時間とお金を考えると、タクシーでエスプ レット経由で 行く計画は効率的であったと思います。

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