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チンクエテッレCinque terre 鉄道で
8月12日(月)
Hotel
Margheritaの朝食は豪華です。自家製ケーキが2種類もあります。30人以上の客で食堂は賑わっています。こんなに大勢宿泊していたのか、驚きで
す。エスプレッソは苦いので、もっぱらカプチーノです。すいか、りんご、桃など沢山の果物、生ハム、ベーコン、薄切りハム、ちーず、ゆで卵、と何でもござ
れ、パンは1個で十分。久しぶりにゆっくりと朝食が出来ました。朝9時、モンテロッソの駅に向かいます。海岸にはもう泳ぐ人達がいます。

駅は旅行者で
ごった返しています。入り口にきっぷの自動販売機があり、いろいろ試してみましたが、一向にはかどりません。珍しく背後から一人の日本人に、頑張って、と
声をかけられました。旅行中出会った日本人はこの一人だけです。結局ダメで、階段を登り、高いプラットホームの直ぐ横にある、有人切符売り場に並んで、
10分後にチンクエテッレ鉄道一日券を買いました。列車は30分毎に来るので、あまり待たないで乗車できます。混んではいますが、山手線内に比べれば、楽
です。
昨日船で降りたRiomaggioreには行かず、手前のManarolaで降りました。

(写真上中の色の薄い写真は次のCornialia駅、降りないで列車の窓から駅を撮影)
写真上右Manarola駅からメインストリートを山の方に向かいます。朝食たっぷ
り
で、元気に登っていきます。ついに教会広場に出ました。ここからでも海が見えるのですが、人々は遙か上の山を横切る遊歩道を歩いているのが見えます。私達
も遊歩道に行こう、と教会の右手の道を奥へ進むと。大駐車場で道が終りです。よく見ると、駐車場の脇から細い道が出ています。登って行くと、足には茨がま
といつき、ヒリヒリするし、手を差し伸べてもらわないと登りづらい高い段差に出会ったり、少し様子がおかしい。すると向こうから二人連れが降りてきて、こ
の先行き止まりだよ、という。いつの間にやら私たちはぶどう畑の細道に迷い込んでしまったのでした。戻るしかない。ふと足元を見ると、緑色のぶどうの房
に、囲まれています。少しなら良いだろうと、ぶどうの房を口に入れる。想像以上に甘くて美味しい。ここからの景色も良いし、畑のぶどうもたべたし、予想も
しない行程でした。再び教会まで戻って、今度は左手の道に入ると、道幅はせばまらず、ついに大勢の旅行者が歩いている山の中腹の遊歩道に出ました。そこか
らの、海と家並みの展望は絵のようです。途中の道の階段を降りると、集落のまっただ中に出ました。通りのみやげ店でレモン石鹸を買いました。教会の鐘の音
がきこえます。もう12時です。駅から戻りの列車に乗り、次の駅CORNIGLIAは高台に有る集落まで歩く気がしないので降りずにパス、その次の駅
VERNAZZAで下車。
VERNAZZAは昨日目をつけていた、小ぢんまりした港に堤防のある集落です。堤防の内側の波の静かな岩場では多くの人達が泳いでいます。
もう昼食の時間です。通りの端の日陰では、子供たちと家族が、おいしそうに、にこにこしながらピザの1片を頬張っています。イタリアの庶民の昼食はこのよ
うなものです。イタリア国民の半分は低所得層だとミラノ30年在住の知人が言っていましたが、でも人生を楽しく過ごす術を知っています。通りに面したレス
トランは旅行者で一杯です。混雑を避けて、通りから一歩入った横丁のレストランに行くと、幸いテーブルが空いていて、椅子の隣にギターが置いてあり、店主
が夕食時ギターライブを開催するようです。

メニューにタコサラダがあったので、それを頼みました。タコの輪切りと、同じ大きさに切った茹でじゃがいもとオ
リーブ油、にんにくで炒めパセリをちらして、レモンを絞ったサラダで、さっぱりして美味しい。水が3ユーロ、テーブルチャージが一人2ユーロ、タコサラダ
一人17ユーロ、合計41
ユーロの請求書。VISAカードで会計。店を出るとき何気なく領収書を見ると、104ユーロになっている。タコサラダ2皿で一万円以上払わされたなんて!
直ぐに、会計に持って行って、違うじゃないか、というと、相手はsorry.sorryと平謝り。総理、そーりと国会で迫った辻元清美を思い出しました。
キャッシュで返してくれ、といってその場で差額の63ユーロを返してもらいました。一歩店を出ていたら、危ないところでした。日本人にはわからないだろ
う、だましてやろう、とずるい店主です。店の名はterattoria da
Piva.ここはイタリア。気をつけなくては。
港に出て私達も大勢が泳いでいる岩場の一画にレジャーシートを敷いて陣取りました。

夏の日差しは暑く、すぐにでも海
に入りたいのですが、山用のアノラックなどを持ってきたので、水着は持参しませんでした。靴を抜いて半ズボンの下まで、海水に浸かりました。岩には藻が生
えていて滑りやすい。近くで5歳位の子供たちが岩場の石の間に手を入れて、ハゼのような小魚をとってはしゃいでいます。母親は近くの岩に座って微笑んでい
ます。港の一画には立派なシャワーが3個も並んで設置
されていて、シャンプー使用禁止と書かれています。空は快晴、気温は32℃。1時間ほど涼んで、駅に戻る途中、自家製ジェラートの店Geratoria
Vernazzaに行列ができています。列に並んで買い求めましたが、確かにピスタチオなどが美味しかった。列車でモンテロッソに帰りました。
通りの一画に規模の大きな酒屋さんがありました。細長い瓶が特徴の地元チンクエッてーレ特産ワイン、シャケートラsciacchetra’の棚の前で、何
百ゆーろもするよ、高いねー、と言っていると店のおばさんが、安いのでも十分美味しいよ、と声をかけてくれました。

で、記念にと一番安い一本50ユーロの
瓶を買いました。
ホテルでシャワーを浴びて、街を散歩。今夜はチンクエッてーレ最後の夜です。地元リグーリア州の専門料理を掲げているRistorante Al
Carogio
Monterossoに行く予定です。昨晩のレストランから見えている近場の店です。風格の有るひげの爺さんが取り仕切っています。店の内部は3部屋から
なり、入り口も3箇所有る大きなレストランです。

歴史のありそうな格天井のある、昔のモンテロッソの白黒写真が貼ってあります。Cappon
magroカッポン・マグロという、豪華な前菜を期待していったのですがありません。夏のバカンスのこの時期、お店は旅行者が主眼で、日本でわざわざ調べ
ていったのに、本格的なリグーリア料理はメニューにありませんでした。秋冬にならないと?。テーブルのパン皿に本場トリノのグリッシーニSANCARLO
Grissini
Torinoがあったので記念に持ち帰りました。魚介のリゾットと、魚のスープ。デザートは一番高い果物のマケドニアにジェラートを添えたデラックス版に
しました。白ワイングラス1杯と、ミネラルウォーター込で合計72ユーロと格安です。魚のスープはフランスでは濾して、具の見えないポタージュ状で供され
ま
すが、イタリアでは具材のムール貝や、手長エビなどは形のままで鍋に入って出てきます。それをひげの爺さんが、鍋から上手に2皿に取り分けてくれました。
プリプリの大エビが美味しいし、スープも濃厚で美味しい。ここではクルトンではなく、普通のトーストパンに染み込ませていただきます。遅くまで開いている
商店街を覗きながらホテルに帰りました。
8月13日(火)ミラノ
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