阿部寿徳様からのご報告

私は5月18日から5月27日まで、現地8日間でフランスに行って来ました。

(1)ボルドー

ボルドーについてから電話したら、Ch.オーブリアンをのぞく5大シャトーのすべてについて、「予約がいっぱいだから」と見学を断られてしまいました。5/21がアサンションだったのも計算外でした。アサンションにはほとんどのシャトーはおやすみだとMaison du vinで教えてもらいました。結局、予約できたシャトーパルメを見学しました。でもいってみたら、べつに予約なしでもよかったようなかんじでした。でも、Ch.パルメ'93は日本に持って帰ってから飲んだのですが、香りといい味といい、素晴らしいものでした。

ボルドーでは移動手段として自転車を借りました。駅前のOffice de tourism

で「ボルドーで一軒しかない」という自転車屋を紹介してもらったのですが、場所はCours Pasteur 42にあります。一日70Fで、他に保証金が2000Fでした。町からでるまでは、くるまが多いのと一通が多いのでけっこう大変ですが、D2に乗ってからは、天気がよかったのもあって、畑をながめながらサイクリング気分を楽しめました。

ホテルは、これまた駅前のOffice de tourismで紹介してもらった、Hotel

ClemenceauというCours George Clemenceau 4にあるホテルに泊まりました。2つ星ですが、140Fで、けっこう快適にすごせました。じつはパルメに行った日、自転車屋の閉店時間に間に合わなかったのですが、ホテルで自転車をあずかってくれました。貸し自転車屋の閉店に間に合わず、次の日がアサンシヨン(キリスト昇天祭)だったので、丸一日ぶらぶらしてすごしたのですが、映画館で「タイタニック」をやっていて、43Fだったので、入って見ました。そうしたら、全部フランス語の吹替えで、レオナルド・ディカプリオが見事な発音で"Rose!"とか叫んでいたのが変でした。

ホテルのそばにGHという小さなデパートのようなものがあり、そこでパンを買って朝食がわりに食べたりしたのですが、ここにはフォアグラのお店もあって、お土産に何缶か買いました。私は鴨より鵞鳥のフォアグラが好きなので、今回もそれを買って、日本に返ってから、冷蔵庫で缶ごと6時間冷やしてから食べましたが、あっさりして本当においしかったです。この「6時間冷やす」というのは去年ペリグーに行った時に、フォアグラ屋のおじさんからおそわった、フォアグラをおいしく食べるコツです。

今回、ブルータスの記事は多いに役立ちました。まず、La Tupinaは、正直、

大あたりでした。記事のように「気軽な」というほどではなくて、予約も必要だし、一人で入るのは最初は勇気がいりましたが、席に案内されてからは店員がけっこう若いせいもあって、リラックスできました。料理は、変な表現ですが、たった今「摘出した」という感じのフォアグラをボイルしてグレープソースをかけたものと子羊の股肉を食べたのですが、どちらも本当においしかったです。ワインは、メニューリストを見てたら目に入ってしまった、Ch. MoutonLothchild '69を頼んでしまいました。生まれ年だったからというのが理由なんですが、正直、ぎりぎりのかんじでした。デキャンタは底の浅いフラスコみたいな感じので、コルクも折れそうになっていました。

あと、L'intendantですが、筒状の建物を螺旋階段で登っていくのですが、各銘柄ごとにミレジムが何種類かそろっていて、見ているだけでも気が変になりそうでした。御土産にはマルゴー'75と、パヴィヨンブラン'89を買って帰りました。パヴィヨンブランは先日家族と飲んだのですが、甘みがまったくなく、きりっとしていて、くせがなく、上質の日本酒を飲んでいるような感じでした。

 ボルドーからリヨンへの移動

ボルドーからリヨンへの移動には夜行の寝台を利用しました。2等(362F)でし

たが、寝台はけっこうひろびろしていて、真っ暗になるので快眠できました。朝目醒めて、車室から出ると、谷間を走っていて、ランボーの「谷間で眠る人」を思い出しました。ボルドーがけっこう熱くて半袖半ズボンだったのですが、リヨンは町中に冷房がかかっているような気持の良い涼しさでした。同じ車室で寝ていたおばさんに、「リヨンにはどのくらいいる予定か」ときかれ、「1日」と答えたら、絶望的な顔をされました。リヨンの人だったので「1ヵ月は必要」だと主張していました。

(2)リヨン

リヨンでは、ポールボキューズで晩ご飯を食べました。ここのソムリエは頭には毛がないのですがひげはとても立派でした。ワインはコンドリュー・アンドレ=プレ'96をいただきました。料理は、舌ビラ目のムニエルとブレス鶏を食べました。タクシーで片道130Fでした。

ホテルはペラーシュ駅のすぐ近くにあるHotel Dauphine(いるかホテル)でした。リヨンの町では、有名なLeon du Lyonの廉価版のPetit Leonでお昼を食べたのですが、ここで出て来た豚の足の挽肉をじゃがいもにはさんだ料理と、柑橘系の香りのするクレームブリュレがとてもおいしかったです。ハウスワインをキャラフェでいただいて良い気分になってから、フルヴィエール教会に登って、美しい町並を見下ろしたのですが、酔いも手伝って、欧州の王になったような最高の気分でした。

(3)ブルゴーニュ

最初ディジョンからボーヌに行くのに、なにをトチ狂ったかバスに乗ってしまったのですが、それが幸いして、ジュヴレイシャンベルタン村のテロワールやレ・ミレジムの前を通ることができました。でも今回は時間の関係でレ・ミレジムには行きませんでした。

予定通りボーヌではサファリツアーに参加して、ちゃんとロマネコンティの畑で写真をとってきました。ひとりだったので、「明日ではだめか」と言われましたが、ちょうど次の日の飛行機で帰ることになっていたので、なんとかお願いしてまわってもらいました。おかげで、けっこう仲良くなれましたが。ニュイサンジョルジュは日本の一の宮と姉妹都市(村ですが)だとか、ときどき日本語をまじえて説明してくれて、私のフランス語もほめてもらいました。

サファリツアーが夕方だったので、それまで時間潰しにオテルデューを見学したり、ワインカーブで試飲したりしました。そこでピュリニモンラッシェ'89を2本とコルトンルナルド'83を買いました。

ホテルはディジョンの2つ星のHotel Condorcetという親切なマダムがひとりでやっているちいさいホテルですが、160Fでけっこう快適でした。

(4)まとめ

合計6本のワインで、私のスーツケースはぱんぱんになってしまいました。

ブルゴーニュのワインについてはもう少し勉強しなければと痛切に感じました。

では、これで終わります。私へのお便りは下記にお願いします。

名前:      阿部寿徳  あべ としのり

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