その9  帰国 

オペラ座付近で分かれて、お互いに買い物をすることにしました。近くにはギャラリー・ラファイエット百貨店があり、買い物に便利です。6時 に待ち合わせして、百貨店の上の階で簡単な夕食を摂りホテルに少額のお礼をして預けた荷物を受け取り、7時15分発シャルルドゴール行きシャトルバス(こ こでもバス乗り場に自動券売機があるが、うまく乗車券が買えなかったので、乗車の際に運転手さんから直接購入。)帰りこそトラブルが無いだろうと期待して いたのですが、またまたバスが空港に入る際の遮断機がこのバスに限って開かない。隣の線はすいすいとバスが通過していきます。運転手さんがバスから身を乗 り出していろいろ操作してもバーは動きません。携帯電話で空港係と話しています、ずいぶん遅れてゲートが開き、ようやく8;20到着。
おどろいたことに、フランスでは,かつてはSONYのテレビが主要な施設で採用されていましたが、今や、いつの間にかホテルのテレビも、空港のテレビも SAMSUNGの製品に取って代わられてしまいました。ホテルでSAMSUNGのテレビを使ってみると、リモコンでチャンネル変更をしても、すぐには画面 が変わらず、その画面を見ても日本製のテレビよりも性能が劣っていることが分かります。しかし、世界中が不況の今、売れる基準は性能ではなく、安価なこと が一番なのだと実感しました。そういえば、パリの繁華街オペラ地区では、オペラ座のすぐ隣の一等地にUNIQLOユニクロが大きな店舗を出していました。
(帰国)
AF0278は定刻通り23;35シャルルドゴール空港を出発。
夕食はウエスターンか、日本食か、と聞かれれば、当然、日本人である私は和食を頼みます。白身魚の甘酢あんかけ、うまそうじゃないですか。と思ったのは、 実物を見る前まで。白身魚とは鱈のサイコロ状四角い切り身が4個あり、あじが無い。塩味もない。要するに甘酢あんがかかっていない。別に添えてあるのかと 探しても無い。味無しおかず。ご飯はといえば、糊のようで粒形が無い。おれは舌切り雀じゃない、糊なんぞ食えるか。というわけで、ひどい食事。仕方がな い、帰りも日清のカップヌードルを頼むか、ということで乗務員を座席まで呼んだら、じっと腕時計を見て、今は出せる時間ではない、あと一時間後なら出せ る、というので一時間待ったけど持ってこない。しびれを切らして、席を立とうとするのですが、帰りは帰りで、また通路側の席に、今度は年配の100kgは あろうかという大女が座って いて、出られない。彼女はやせようとしているのか、初めから夕食を断って、水だけ飲んで、フランス語の単行本を読んでいます、で、フランス人かと思った ら、顔は、れっきとした日本人でした。食後のお茶をもらおうとしても、彼女が食事をしないので、乗務員は奥の私にまで目がいかず足早に通り過ぎてしまう。 彼女が 居眠りし始めたので、意を決して巨体を飛び越して通路に出て、後方の乗務員控え室に行き、先ほど頼んだ乗務員も居合わせたが、今度は私が無視して、別の男 の乗務員にお願いしてカップヌードルを作っていただく。スパイスのきいたものが良いか、そうでない物が良いかと聞かれたので、後者を頼みました。帰りの ヌードルは、容器自体からして、日本のとは異なり、カップ自体は熱くて持てないので、プラスチックのリングが付いていて、そこを持つようになっている。味 は日本のよりも不味い。これだけではお腹が治まらないので前方の乗務員室にいって、今度は自分でスパイシーな方を作って食べたが、これも不味かった。のど が乾いたの で、乗務員室の年配の女性乗務員にドロー・ミネラル。シルブプレといっているのに、こちらの云うことはハナから聞いて無く、”バーボン、ここにはバーボン は置いてな いよ”なんて、とぼけた返事をする。どう聞いたって、私の発音がそんな風には聞こえるはずがないじゃないか。ここでも、日本人と決めつけて、こちらの云う ことなんか聞かないフランス人が居ました。面倒だから自分で目の前に置いてあるミネラルウオータを目の前のコップに注いで飲んだら、彼女は今気づいた様な ふりして、 desoleデゾレなんて云っている。席に帰ると通路側の彼女が起きていたので、立っていただいて、奥の自分の席に座りました。さすがにお腹が空いたの か、隣の女性も朝食は食べていました。彼女が食後に紅茶を頼んだので、私もテイーと乗務員に告げると、またまたこの客は日本人だ、という、先入観のもと に、ジャパニズテイーといいながら、緑茶をよこす。ジャパニーズなんて言っててないよ。このエールフランスの女性乗務員達はどうなってるんだ、相手の意見 も聞かず、日本人 に餌を与えている感覚で仕事をしているに違いない。
(結び)
実際、今回ほど不愉快な偏見を持ったフランス人に会った旅は経験しなかった。それでも、オーベルニュAubergne旅行はすばらしかったし、親切なフラ ンス人にも会えたし、チーズをはじめ、美味しい物を沢山食べました。やはりフランス旅行は魅力的です。


最後に、クレルモン・フェランのAligotアリゴのレストランで置き忘れた 帽子についてお話ししましょう。とにかく、私にとって一番お気に入りの帽子だったので、どうしても、あきらめきれません。帰国後、直ちに、祈るような気持 ちで、インターネットで、「飛騨泥染め帽子」で検索すると、ゆはら染工飛騨染SHOPがヒットしました。 http://www.rakuten.co.jp/hidasome/ 
私がなくした物と全く同じ帽子、「泥染、帆布天帽子3,470円」が販売されていました。
早速、送っていただき、今は無事帽子掛けに戻りました。このよう なすてきな帽子はもっと世に知られても良いと思います。ゆはら染工飛騨染SHOPでは、その他にも、ショルダーバッグなど、深い味わいの泥染布製品が販売 されています。これで、旅行中の問題は全部解決しました。めでたしめでたし。

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